REPORT 現地レポート

「このままじゃダメだ」と気づき、次なるステップへ――倉敷翠松 #8 平尾乃々子

2022年9月19日

 1、2年生のみで構成されたメンバーで戦う「U18日清食品 中国ブロックリーグ2022」は、入学以降なかなか公式戦でプレータイムをもらえていなかった1年生たちのアピールの場とも言えます。一方で、すでに3年生を含めたチーム内でも出場機会を得ているルーキーには、この大会でリーダーシップを発揮しようとしている選手も見受けられます。

 その1人が倉敷翠松(岡山)の平尾乃々子選手です。平尾選手は、この夏のインターハイではエントリー変更によりメンバー入りを果たすと、戦った2試合ではともに先発出場。プレータイムも1試合平均25分を超えました。今回のリーグ戦に臨むにあたっては、「自分がチームを引っ張っていくのと、3年生に対しても恥ずかしいプレーは見せたくないですし、1、2年生だけでも戦えるというところを見せたい」と意気込んでいたと口にします。

 しかし、9月10日の初戦では鳥取城北(鳥取)に56-92と大差をつけられて敗戦。試合後、平尾選手はあまりの悔しさに目を潤ませました。

「3年生がいるときは任せきりで、自分は合わせのプレーをすれば上手にできるんですけど、この大会は自分が引っ張っていかなきゃいけない立場なのに情けないプレーをたくさんしてしまいました」

 白石理賀コーチも、この日の平尾選手のプレーについてこう振り返ります。

「普段、あの子はシューターとして起用していて、シュートがすごくきれいです。3年生と出ているときは周りがシュートを打つ場面を作ってもらえるんですけど、今日は自分からクリエイトしないといけない場面が増えてしまいました。外からの気持ち良いシュートは1本もなかったですね」

 もちろん、下級生主体ということもあり、連携の部分ではまだまだ未完成であることは否めません。白石コーチは「正直、今の段階ではプレー面で下級生たちに求めている部分は少ないです」と話し、「どちらかと言うとマインドの部分での奮起を求めています」と明かします。

「いつもは3年生との比較なので、『まだこれくらいでも大丈夫』とか、『試合になったら3年生がやってくれる』という気持ちがあると思います。でも、今大会を通して同世代の選手がこんなに頑張っているということに気づいてほしいです。一人ひとりが『このままじゃダメだ』と感じて、それぞれの課題を持ち帰ってほしいと思っています」

 白石コーチの考えに同調するように、平尾選手も思い通りにプレーできなかった要因について、「自分自身のメンタルが弱い」と現在の課題を挙げました。

 アウトサイドシュートを決め切るには、日々の練習で培った技術と同じくらい強いメンタルが必要です。期待の1年生シューターは「もっと練習して良いチームになりたいです。自分からもしっかりコミュニケーションをとって、周りに良い影響を与えられるような中心プレーヤーになりたい」と力を込めました。平尾選手のさらなる飛躍に期待です。

NOW LOADING

TOP