9月24日に行われた女子の「U18日清食品 四国ブロックリーグ2022」、高知中央（高知県）は済美（愛媛県）との試合に70-88で敗れました。試合の入りと後半開始直後にビハインドを背負う苦しい戦いを、吉岡利博コーチは「シュート力、全体的なスピード、特に切り替えの早さでウチは全部劣っていた印象でした」と振り返ります。

それでも高知中央はこのリーグ戦で下級生を積極的にコートに送り出しており、留学生を含む3人が1年、残る2人も2年生と、3年生が1人も出ていない時間帯もありました。先発ポイントガードを大役を任された大須賀さよ選手を筆頭に、酒井美杏選手や井出亜依香選手など多くの1年生が貴重な経験を積みました。

吉岡コーチは「多くの選手にチャンスを与えるので、その中でプレータイムをつかみ取ってもらいたい。出来が良ければどんどん使います」と、下級生に思い切りの良いプレーを期待しています。

高知中央の特徴は留学生プレーヤーと、小柄ながらクイックネスがある優れたガードがその代にも出てくること。ガードについては特別な指導方法がありそうですが、吉岡コーチは「たまたまです」と否定します。

「ウインターカップでベスト4に入った年から、オープンスクールや体験会に来るのがほとんどガードになりました。去年も体験会に70人ぐらい来てくれたのですが、170cm台の選手が1人もいませんでした」と苦笑を漏らします。

つまり、優れたガードが「高知中央であれば身長がなくても生かしてくれる」と期待して集まってくるのです。「選手本人や親御さんからもそう聞くことが多いです。井上ひかるがいてベスト4に入った次の年も福原葵と池口千紗のコンビが頑張ったので『小さくてもやれる』イメージが付いたのかもしれません」

吉岡コーチは「全員でハードワークして盛り上げれば、苦しいことも乗り切ることができます」というチーム作りを目指します。今年は留学生プレーヤーがどちらも1年生で、1人のチーム合流が遅れてこのリーグに参加できていないこともあり苦戦していますが、「負けてるから落ち込むのは違うんじゃない？ と選手たちに言っています。ベンチも出ている選手を自分のことのように応援する形でやっているので、負けていても元気にやれています」と吉岡コーチが言うように、ベンチはいつでも元気いっぱいです。

県外から来る選手もいますが、部員の多くは高知県出身。「言葉遣いが結構粗くて、同級生でも高知の子の話し方が怒っているみたいだ、と県外出身の子が言うこともありますけど、高知は『おもてなし県』ですから、根は優しいです」と吉岡コーチは説明してくれました。

高知中央は元気良く全員でハードワークして、急成長を続けています。