REPORT 現地レポート

下級生主体のチーム、自分たちで考える力を育むリーグ戦/英明(香川県)

2022年11月4日

9月24日と25日、「U18日清食品 四国ブロックリーグ2022」女子が高知県の岡豊高校で行われ、出場8チームによる熱戦が繰り広げられました。

英明(香川県)は3勝2敗(1試合は延期)と、勝ったり負けたりを繰り返しながら経験を積んでいます。塩入望ヘッドコーチは「試合ごとに自分自身もチームでもテーマを持ちながらゲームをやってきて、夏には使える選手が7人だったのが10人を超えるぐらいになって、ウインターカップ予選では自分たちのやりたいスタイルでバスケができます。本当に良い機会です」と語ります。

24日の試合では県立城北(徳島県)を相手に、下級生主体のスタメンを送り出すも、序盤から大量リードを奪われる展開に。それでもタイムアウトで塩入コーチに檄を飛ばされるとスイッチが入り、逆転で90-86の勝利を手にしました。

「1年生特有の『何とかなるかな』でフワッと入って、あんなことになってしまって」と塩入コーチは試合を振り返ります。「出だしで自分たちのリズムにするために、アップからきちんとやってテンションを上げて試合に入らないとふんぞり返ってしまいます。ですが、私が怒ることでスイッチを入れるのはあまりやりたくありません」

下級生主体のチームに求めたいのは自分たちで考える力。3年生主体のチームだった去年は自分たちで準備ができましたが、今のチームはその甘さを払拭するために、このリーグ戦で何かをつかみ取ってほしいと塩入コーチは語ります。

「第3クォーターの頭もウインターカップ予選の決勝だったらタイムアウトを取るところですけど、今日は『自分たちでやりなさい』と。悪い流れの時間帯は必ず来ますし、そこを自分たちで乗り越えないといけません」

夏のインターハイでは1回戦負けを喫しましたが、「行けたことが財産」と塩入コーチは話します。「本人たちも、あそこまで身体の力の差があるとは思わなかった、通用すると思っていたことが全く通用しなかったと感想を話していました。その借りは全国大会でしか返せない、県大会で優勝して、東京体育館で取り返すしかない、と話しています」

「夏からチームとしても個人としても大きくレベルアップした選手がたくさんいます。本当に勝負をかけに行く時期だと思います」

ちなみに、ベンチに入っている井上晃アシスタントコーチは塩入コーチのお父さん。塩入コーチもかつては英明の選手で、父の下でプレーしていました。「20年間チームを率いた父が3年前に定年退職になって、私が交代しても非常勤で来てくれていて、2人で一緒にやっています」

塩入コーチの妹である井上愛さんは、Wリーグの選手を引退した後にサポートコーチを務めましたが、今はBリーグチームのスクールコーチとして『修行中』なんだとか。

「いずれ父がもっと歳を取ったら妹を呼び戻してしまいでやりたいです。父が元気で一緒にやれる間に、父の夢である全国ベスト8に私と妹で連れていきたいです」

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