REPORT 現地レポート

目標を逸した下級生チームに突きつけられた甘さーー昭和学院

2022年12月6日

「U18日清食品トップリーグ2022(女子)」に参戦する8チームの中で唯一、ウインターカップ 2022への出場権を勝ち取れなかった昭和学院。千葉県予選の準決勝で敗れた約1ヶ月後の11月20日、トップリーグの試合が再開。東京1位でウインターカップ出場を決めた明星学園に、82-51で勝利。しかし、エントリーメンバーにはもう3年生はいませんでした。

鈴木親光ヘッドコーチは、「3年生はコロナ禍でいろんな制限があったので、そこはかわいそうではありましたが、どこかで線を引かなければ残る選手たちもリセットできないと思いました」と英断を下し、新チームで臨みます。今年は下級生中心のチームであり、3年生がいることでの甘えを払拭させる意図もありました。

新チームで迎えた初戦を勝利で飾り、続く最終戦は同じく下級生中心の岐阜女子と対戦。前半終了間際に渡部結選手が逆転のブザービーターを決め、34-32と昭和学園がリードして折り返します。しかし、第3クォーターは4-14と大きく引き離され、55-64で敗れました。

一方的な展開となった後半について、「やっぱり甘さがありました。必死に食らいついて、もっとコート上では悪い人というようなイメージが出てもいいのかなと思うんですけど、まだ試合を見ていると良い人だなと思うような戦い方をしていました」と鈴木ヘッドコーチは、これまでのチームと比較しながら反省点を挙げます。

渡部選手も、「前半は自分たちのディフェンスから流れを持ってくることができたんですけど、後半になって集中力が持たなくて、点差がどんどん離されてしまったのが課題です」と振り返ります。甘さと集中力が持たなかった点について、鈴木ヘッドコーチは「勝負どころでの秘める力がまだ足りていません。まだ淡々と試合をこなしてるだけという部分があります。勝負勘というか、厳しさが出てくるともう少し集中力も持続できるようになるのですが…」と話し、下級生としての甘えもその原因だと続けます。

対する岐阜女子の2年生、絈野夏海選手は「ディフェンスからブレイクというチームの特徴があり、そのブレイクの部分で自分がしっかり3ポイントシュートを狙っていけるように、積極的に試合を意識してプレーしました」と述べ、ゲームハイの22点と活躍しました。

昭和学院にとって、インターハイとウインターカップの両方を逃した悔しい経験は、これがはじめてです。トップリーガ今年唯一となる全国の強豪と対戦できた機会であり、「最初は通用する点が少なかったですが、7回試合をしていくにつれて、ドライブやシュート率が上がって、通用する点が増えたのは良かったです」という渡部選手は課題だけではなく、強みを見つける機会にもなりました。平均19.6点を記録し、得点ランキング4位。「シュートが落ち続けてしまったときもあれば良いときもあったので、そういう波がないように練習していきたいです」と次へつなげます。

ウインターカップ予選で敗れ、新チームへ完全移行し、基本から作り直していた時期に行われたトップリーグ。鈴木ヘッドコーチは「最後まで選手たちが意識を高く持って戦ってくれました」と労います。最終戦を終え、応援に駆け付けた保護者や先輩たちの前で、「今年の悔しさを絶対に晴らしたいです」と清水さくら選手は全国の舞台に返り咲くことを宣言します。

毎年のように年末は真剣勝負をしてきましたが、予想外にスケジュールが空いてしまいました。しかし、鈴木ヘッドコーチは「子どもたちと一緒に、私も新しいことにチャレンジする時間にしたいです」とすでに予定を入れ、新生・昭和学院としてリスタートを切りました。

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