REPORT 現地レポート

システムに縛られず自らクリエイトする得点力──東海大学付属諏訪 #3 中川知定真

2022年12月7日

 11月26日に最終日を迎えた「U18日清食品トップリーグ2022(男子)」。東海大学付属諏訪は最終戦で中部大学第一に66 – 75で敗れ、3 勝 4 敗の 4 位という結果で大会を終えました。

 この試合、 9 得点だったのが中川知定真選手です。福岡大学附属大濠戦での34得点、正智深谷戦での30得点など、このU18トップリーグで毎試合 2 桁得点を挙げてきた中川選手からすれば、やや物足りない数字かもしれません。実際、中川選手も「自分は 2 年生の頃からシュートの調子が悪いときにどうチームに貢献するかが課題で、それは克服できたと思っていたのですが、この最終戦では自分の悪いところが出てしまいました」と反省を述べていました。

 ただ、このU18日清食品トップリーグ2022全体を振り返れば「得点力とリバウンドに関しては、夏よりも成長できたと感じています」と自負します。特に得点面に関しては「これまでは周りの選手にプレーを作ってもらって自分はフィニッシュするだけでしたが、最近は自分からドライブを仕掛けてオフェンスをどんどんクリエイトできるようになってきました」と確かな手応えを得られた様子です。

 そんな中川選手に対して、入野貴幸コーチが心掛けているのはチームプレーのシステムで縛り過ぎないことだと言います。「中川に関しては、システムの“プラスワン”だと考えています。あまりシステムにはめてしまうと彼の良さ、すなわち本能的、直感的なプレーが消えてしまうかなと。チームの約束事がある中でも、自由にやらせることで彼が持つ“個の力で打ち破る強さ”が出てきました」。中川選手の型にはまらないプレーがどんどん発揮されることで、チームの攻撃に幅を生む良いスパイスとなっているのです。

 この中川選手をはじめ、石口 直選手や高山鈴琉選手など、現3年生たちは下級生の頃から試合経験を積んできた学年です。さらに今年初開催となったU18日清食品トップリーグ2022は、入野コーチいわく「準備、本番、振り返りと、1試合で3試合分の価値があったと思います。7試合×3で21試合分の経験を積んで、選手たちも有形無形の成長を遂げることができました」。

 そうしたこれまでの経験の積み重ねを、ぶつける檜舞台が「ウインターカップ2022」。組み合わせが決定し、東海大学付属諏訪は北陸や開志国際が入る右下の激戦ブロックに入りましたが、「トップリーグで負けた 4 試合も、振り返れば勝てるチャンスはありました。しっかりと自分たちのバスケットをする時間帯を限りなく40分間に近付ければ、どんな相手にも勝てる力を持っている選手たちだと思います」と自信をのぞかせる入野コーチ。集大成の冬、どんなプレーを見せてくれるのか注目です。

NOW LOADING

TOP