REPORT 現地レポート

「中学と高校で一緒にレベルアップ」を目指す/四日市メリノール学院(三重県)

2022年8月15日

四日市メリノール学院(三重県)は今年から、中学を率いてJr.ウインターカップを制した稲垣愛コーチが高校の女子バスケ部でもヘッドコーチを務めることになりました。

稲垣コーチは前日に四日市メリノール学院中学を率いて東海総合大会を制し、「U18日清食品 東海ブロックリーグ2022」には最終日の合流となりました。ベンチで立ち上がり、動き回って選手に声をかける稲垣コーチのハッスルが伝わるのか、この日の選手たちにはこれまで以上に気合いが入っていた様子です。

それと同時に細やかな采配も光ります。名古屋女子大学(愛知県)との対戦では、試合序盤に何のミスもないにもかかわらずスタートの選手をベンチに戻し、一声かけて次のポゼッションでコートに戻すような選手交代を繰り返していました。「どのプレーが良くて、どのプレーが悪いかの認識が揃うように声をかけていました。悪いプレーの後に呼ぶと気持ちが下がってしまうので、良いプレーがあった時に一度戻して話をするようにしています」と稲垣コーチはこの采配を説明します。

四日市メリノール学院のディフェンスからのブレイクというスタイルは不変ですが、稲垣コーチ曰く「ずっとランメニューだったので、やっと走れるようになったかな。ある程度は今までつちかってきたものがありますが、ここからディフェンスの強度と精度を上げていきたいです」と語ります。

昨年は下級生中心のチームで創部3年目にしてウインターカップ初出場。この時の主力選手がチームに残っていますが、三重県を勝ち抜く難しさを稲垣コーチはひしひしと感じています。「去年ウチが出たことで、他のチームもすごく頑張る思いが強いはずです。ウチは下級生チームでしたが、卒業していった3年生の存在は相当大きかったので、今年もウインターカップ予選を勝ち抜くことはかなり厳しいことだと思っています」

稲垣コーチにとっても、中学と高校の2チームを担当するのは簡単ではないチャレンジです。しかし、「デメリットを探したらいくらでもありますが、私はメリットの方に目を向けたい」と言います。

「中学と高校がお互いに同じような意識レベルでやっていくことで、両方が引き上げられることがたくさんあります。中学生は高校生のパワーとスピードに慣れることができますし、高校生は中学生のひたむきさを吸収してもらいたい。お互いの良いとこ取りができると思ってやっています」

メリノール学院中学は全国レベルの強豪となり、その主力選手は全国の強豪高校へと進学していきます。この日も稲垣コーチは、この春まで指導していた選手(浜松開誠館の井口姫愛)の活躍を微笑みながら見守っていました。

教え子たちとの対戦も、稲垣コーチにとっては大きなモチベーションとなりそうです。「楽しみでしかないですね。ウインターカップになったら『あの選手には絶対やられるな』と指示します(笑)」

ただ、まずは三重県を勝ち抜くのが第一。「ディフェンスをもう一回しっかり、この夏に鍛えまくってウインターカップ予選に臨みたいと思います。幸い、いろんな高校の先生方がお力を貸してくださっていますので、それに甘えさせてもらいながら中学と高校で一緒にレベルアップしていきます」。鍛えまくった成果がどのような形で見られるかが楽しみです。

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