REPORT 現地レポート

期待があればこその課題――東京成徳大学

2022年8月29日

「U18日清食品トップリーグ2022」女子の開幕節が終わりました。東京成徳大学は初日の京都精華学園戦を72-84で落とすと、2日目の大阪薫英女学院戦も52-64で敗れました。しかし東京成徳大学を率いる小林康裕コーチはこう言います。
「最後まで粘り強く戦い抜くことができたと思います。一方で、オフェンスでやや詰まってしまうなどの課題も見えたので、私としては次につながるゲームだったかなと思います」

吉田亜沙美さんや大崎佑圭さんらオリンピアンを輩出し、インターハイを4回、ウインターカップも3回制したことのある東京成徳大学ですが、今夏のインターハイには出場が叶いませんでした。しかしながら、選手たちはそのインターハイ予選の反省を活かすべく、得点力のアップに取り組んできました。最終スコアや、ボックススコア上のフィールドゴール%を見るとけっして高いわけではありません。小林コーチが言う「オフェンスがやや詰まった」というのも、シュートに至るまでの動きに課題が見つかったということでしょう。

それでも随所に練習してきたシュート力の高さを垣間見せることはできていたように思います。小林コーチもそれを認めます。
「選手たちはこの夏、本当によく頑張ってくれて、シュート率が上がってきているのは事実です。でもそれをもっともっと磨けるなという期待も込めて、課題に挙げさせてもらいました。選手は本当によく頑張ってやってくれているので、これからに期待したいと思います」
選手たちの日々の努力を認めるからこその課題というわけです。

開幕節で戦った相手はいずれもインターハイのファイナリストです。初戦の京都精華学園には#4イゾジェ・ウチェ選手ら突出した高さを持つ選手がいます。一方で大阪薫英女学院には#4都野七海選手や#6熊谷のどか選手といった、サイズこそないもののクイックネスとスキルの高い選手がいます。タイプがまったく異なるチームと戦えることは、むろんそのための準備は多岐に渡りますが、その準備も含めて、出場チームにとっては経験値を重ねることができます。
小林コーチもまた少しずつではありますが、いろんな選手を起用しながら、選手たちの経験値も上げています。
「どうしてもトーナメントとなると負けたら終わってしいます。もちろんリーグ戦だからといって負けていいわけではないんですけども、やはり次に向けていろいろなことが考えられるという意味でも、また非常に高いレベルでバスケットができるという意味でも、とてもいい経験になります」

今節は、3×3U18女子日本代表に選ばれながら、直前のコンディション不良で「FIBA 3×3 U18女子ワールドカップ」への出場を見送られたポイントガードの山宮好葉選手が帯同できていませんでした。一方で、インターハイ予選の終盤にケガをしたセンターの尾崎理咲選手が復帰し、対戦した両チームのセンター陣とやり合っていました。チームバランスとしてはまだまだ完全体ではありませんが、そのなかで得られた経験こそが、東京成徳大学の今後に大きなプラスになるはずです。
次戦(9月3日。立川立飛アリーナ)は桜花学園との対戦になります。手強い相手ですが、小林コーチの言う「次につながるゲーム」にするべく、彼女たちの入念な準備がまた始まります。

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