REPORT 現地レポート

自主性を重んじながら楽しくバスケに向き合う新チームーー明星学園 #18 池田凜

2022年9月4日

「U18日清食品トップリーグ2022」での3戦目を迎えた大阪薫英女学院高等学校は、明星学園高等学校を89-73で下し、無傷の3連勝を飾りました。#7島袋 椛選手は33点の大活躍で勝利に貢献。先週の試合が延期となった明星学園は、今回が初戦です。

体調不良者が出たことで練習不足も否めず、「あまり自分たちの力を出し切ることはできなかったです」という池田凜キャプテン。「シュートの調子が悪かった」と反省点を挙げる池田選手ですが、それでも20点を決めています。31-50と19点差を追いかける後半、ディフェンスから強気にプレーした池田選手。その積極性がチームに伝播し、「リバウンドから得点を獲ったり、留学生(アダム アフォディヤ選手)だけに頼らずにまわりもしっかりシュートを打つなど、個人個人が点を獲る意識で戦うことができました」と言うように、後半の得点だけを比較すれば、大阪薫英女学院を上回っています。

16点差で敗れた結果は残念でしたが、「プラスに捉えています」というのは高橋三絵コーチです。アダム選手が前日に捻挫をしてしまい、本調子ではない中、「他の選手がどこまでできるかをチャレンジさせています」と言います。髙橋コーチは、「なかなか出場機会がない選手を多く起用したいと思っています。ひとつのミスで交代するのではなく、待ってあげる時間を確保しながら、しっかりチャンスを与えていきたいです」と目的を持って臨んでいます。ウインターカップ予選と重なった昨年の関東ブロックリーグでも、積極的にベンチメンバーや下級生を起用していました。

昨年の経験を踏まえ、池田選手も「今までの試合は5人だけで戦うこともありました。しかしこのリーグ戦だからこそ、シックスマンやその次の選手などベンチメンバーが試合に出て、5人だけで戦うのではなくどんどん選手層を厚くしていきたいです」と期待しています。

インターハイでベスト8になった明星学園ですが、その後はヘッドコーチ不在のままの活動を強いられています。このリーグ戦は「子どもたちには申し訳ないですが、なんとか力になりたい」思いで髙橋コーチがベンチワークを担っています。「子どもたちに元気を与え続けること、安心してバスケットができる状況にすること。それが一番の役割だと思っています」というとともに、選手たちを尊重し、自主的に考えるバスケットを目指しています。

「子どもたち自身で対応できるように、自然治癒力をつけてもらいたいです。練習中から客観性を持って判断するように言っており、良い状況判断をすることが大切です。スペースのことを意識し、ノーマークになったら必ずシュートを打つことなど、基本的なことしか伝えられませんが、子どもたちと一緒にチームを成長させていきたいです」

毎年のようにヘッドコーチが代わり、今は不在となった状況に対し、池田選手はショックを受け、「最初はもうバスケのやる気もなくなってしまいました」と吐露します。「でも、今はキャプテンという立場なので、コーチがいなくても自分たちで練習してきた成果をこのリーグ戦から見せていきたいです」とチームを引っ張ります。大阪薫英女学院の後半に巻き返した姿がその成果であり、「全員で声を掛け合って、良いコミュニケーションができていました」と手応えを感じています。

自主性を重んじながら、楽しくバスケに向き合い、リーグ戦を通して新たなチーム作りがはじまりました。

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