谷岡柚芽「笑って頑張ることのできるチームになりたい」/県立高松南(香川県)
2022年10月5日
県立高松南(香川県)は地元開催だった今夏のインターハイに出場するも、初戦で土浦日大(茨城県)に敗れました。インターハイが終わってから山下浩二ヘッドコーチが「全員が揃ったことは一度もない」というほどケガ人が出ており、この「U18日清食品 中国ブロックリーグ2022」でも苦戦が続いています。
それでも山下コーチが言う「一生懸命に全力を尽くすのがます第一、その中で『どうせやるなら勝ちたいよね』と毎日チャレンジすることです」というスタイルは変わらず、主力を欠きつつも戦い続けています。
9月24日の聖カタリナ学園(愛媛県)との試合も、本来のスタメンのうち3年生の2人を欠く状況で60-78と敗れましたが、その状況も3週目、5試合目ともなると、コートに立つ選手たちがアジャストしつつあります。特にパワーフォワードの谷岡柚芽選手はペイントエリア内で身体を張って聖カタリナ学園のスピーディーな攻めを食い止め、攻撃に繋げてチームに良いリズムをもたらしていました。
谷岡柚芽選手は試合後にこう語っています。「これまでこのリーグで良いプレーがあまりできなくて、チームとしても夏休み明けから少し難しい状況から始まって、なかなか調子が上がらず難しかったんですけど、今回は試合を通して今までの試合では感じなかった達成感がありました。まだ少しですが、それを感じることができたのは良かったです」
繰り返し公式戦を続ける中で、チームが成長していけるのがこのリーグ戦の良いところ。「初戦の時とかはすごく雰囲気が悪かったです。まだ競っている状況なのにコートの中もベンチも雰囲気が暗く、練習中もそうでした。これではしんどい時に頑張れない、それが自分たちの弱さだと実感して、『しんどい時に耐えて、笑って頑張ることのできるチームになりたい』という目標を立てました」
キャプテンを務める谷岡選手は、コート内外でチームを引っ張らなければいけない立場にあります。『笑って頑張ることのできるチーム』になるために、彼女が心掛けてきたのが『ハッピーウイルス』になることです。
「感染症のウイルスみたいですけど、でも自分はチームを良くするために幸せを広げて伝染させようとしています。苦しい時に耐えられなかった場面もあったんですけど、『あそこはこうだったね』とか笑ってチーム内で話し合ったり、ナイスプレーが出たら先輩後輩にかかわらず声を掛けたり。山下先生からも『どん底から少し上がってきたよね』と言われたんですけど、私も聖カタリナ学園さんとの試合を通してすごく感じたものがあります」
ケガ人が復帰しても、チームの雰囲気が最悪だったら波に乗っていけないもの。谷岡キャプテンの働きかけから小さな変化が積み重なって広がり、雰囲気は良くなりつつあります。
今の彼女が意識するのは試合の勝ち負けではなく、あくまで『笑って頑張ることのできるチーム』になることです。なので「ウインターカップ予選のことはあまり考えたくないんですけど」と前置きしつつ、こう続けます。「高松南高校として3冠を取ったことがないので、今は2冠を取っているのでウインターカップの県予選もしっかり優勝したいです。インターハイでは1勝できずに終わってしまったので、ウインターカップではまず必ず1勝して、あとは自分たちのできることを精一杯やりたいです」
身長170cmのサイズを生かしたインサイドプレーは「県内では負けない自信があります」という武器。今は左のドライブと距離のあるジャンプシュートを磨いてウインターカップ予選に臨もうとしています。谷岡選手の力強いプレー、そして彼女がまとめるチームの一体感に注目です。