REPORT 現地レポート

3年生不在の間に急成長する下級生、横地光聖「僕にとっては挑戦でしかない」/明徳義塾(高知県)

2022年10月5日

「U18日清食品 中国ブロックリーグ2022」を戦う明徳義塾(高知県)は、多くの選手がケガに見舞われ、3年生は受験などの活動もあって、主力選手がなかなか揃わない中で試合を重ねています。ただ、「インターハイでは3年生に頼りすぎている部分が結構ありました」と中村哲大ヘッドコーチが言うように、夏の時点では下級生がまだ戦力になりきれていない課題があり、夏の間に取り組んだ下級生のレベルアップを形にすべく、2年生、1年生の選手がリーグ戦でチャンスを与えられて成長しています。

中村コーチは「今までゲームキャリアがなかった1、2年生の選手がチームの主力になってきたことは大きいです」と語ります。

9月25日には新田(愛媛県)に84-97で敗れました。第1クォーターに38失点と、新田のスピーディーなバスケに振り回され、いきなりのビッグクォーターを作られて、後半に反撃に転じるも届きませんでした。

「そこはゲームキャリアの差です。1、2年生のメンバーが自分がスタートだという自覚がまだ芽生えていません」と中村コーチは振り返るとともに「ウチはそこそこ大きいチームですが、県内ではそれで戦えても全国に行くと新田高校さんのようにサイズがなくても平面のバスケをすごく重視しているチームがあり、ランプレーでやられてしまいます。全国で戦うには、こういった平面のバスケをこちらも絶対に勉強しなければいけません」と、チームとしてまだまだレベルアップが必要だと感じています。

それでも、経験を積むことで若い選手はどんどん変わっていきます。この新田との試合では、先発ガードである野津大暉選手が受験で不在となり、2年生の横地光聖選手がスタメン起用されました。インターハイでは野津選手に続く2番手で繋ぎの役割でしたが、リーグ戦で実戦経験を積んで頼もしく成長しています。

「3年生の野津さんがいない状況で、僕が自分勝手にやりすぎると点が取れずにチームも崩れてしまうので、自分が目立つようにじゃなくアシストしながらゲームを作っていくことを意識して、今日はそこは上手くできたと思います」

新田に試合の立ち上がりから強烈な先制パンチを食らい、横地選手は「正直、自分も『やっちゃったなあ』と思う部分がありました」と苦笑いを浮かべますが、すぐに切り替えられたことが収穫です。「でも、僕にとってはそれも挑戦でしかないし、あそこで落ち込んじゃうと終わってしまうので、次が大事という意識でプレーしました」

2年生の横地選手は、先輩の3年生に追い付け追い越せの意識を持つとともに、1年生に対して良い姿を見せることも意識しています。「1年生にはジュニアウインターで上に行った選手もいますし、自分も負けていられないと思います。だからこそ、ミスをしてもいいから自分で勝負に行くべきだというのを、自分自身のプレーでお手本にできたらと思っています」

インターハイでは県立小林(宮崎県)相手に1点差で敗れ、初戦敗退を喫しました。ウインターカップでチームがさらに先に行くには、「3年生に頼りすぎている」課題を解決しなければなりません。それでもリーグ戦で自信を付けた横地選手は「ただ戦力になるだけじゃなく、チームが困った時に自分が3年生を引っ張れるような存在になりたい」と、もはや繋ぎの役割に甘んじるつもりはありません。

こうした選手の頼もしい成長を見て、中村コーチも手応えを感じるとともに、ケガ人の早期復帰を願っています。「ウインターカップ予選には留学生も含めて万全の状態で臨みたいです。県予選でまずは勝つ、ウインターカップでは1試合ずつ全力で戦って、目指すはやはりメインコートです」

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