REPORT 現地レポート

アマダスン・エセウィ緑一、課題を持ってリーグ戦に臨む1年生/尽誠学園(香川県)

2022年10月5日

尽誠学園(香川県)はインターハイに5年連続15回、ウインターカップも今年出場となれば同じく5年連続15回出場で、ウインターカップでは準優勝2回、そしてNBAプレーヤーの渡邊雄太選手を輩出した四国の屈指の強豪ですが、チームを率い る色摩拓也ヘッドコーチも、そして選手たちも、事あるごとに「自分たちは強いチームではない」と言い、実直にバスケに向き合ってレベルアップに努めています。

今年新設された「U18日清食品 中国ブロックリーグ2022」では、3週を終えて6戦全勝と強さを見せ付けています。色摩コーチは「いろいろな選手を使っていきながら、勝ちにもこだわりたい」との考えで、このリーグ戦に参加しています。

それはただ下級生の選手を起用するだけでなく、試合中にあまり指示を出さずに選手に多くの判断を委ねる点も挙げられます。「選手は私の言ったようにプレーできるようにはなっていますが、自分たちで考えて答えを出せるようになってもらいたい。どの場面で選手がどう判断するのか、判断間違いもいっぱいありますが、リーグ戦ですから試合後に『なぜこうしたのか』の答え合わせをして、レベルアップしてまた次のゲームに行くことができます」

これまでプレータイムの少なかった下級生をコートに送り出す際にも、「失敗してもいいから、自分がやらなければいけないことをやりなさい」と課題を与えています。9月25日の県立城東との試合で目立ったのは、1年生のアマダスン・エセウィ緑一選手でした。

アマダスン選手は姫路市生まれの尼崎育ちで、自分のことを「バリバリの関西人です」と言います。兵庫県から瀬戸内海を渡って尽誠学園でのバスケに挑戦していますが、これまでは「四国大会では3試合でプレータイムが20分もないぐらい。シュートを決められずディフェンスが全然できませんでした。インターハイではメンバーに入れず、県予選は1年生でベンチ入りしてプレータイムをもらっている選手もいたので、上から自分も出たいと思って見ていました」と、これまではあまり試合に出られませんでした。

しかし、このリーグ戦を前に色摩コーチから技術的な課題を与えられるとともに、プレータイムが与えられると聞いて「チャンスをつかもうと気合いが入ってました」と意気込んでいました。

185cmのアマダスン選手は高知中央(高知県)との試合では留学生を、県立城東では長身のエースをマークする場面もありましたが、フットワークを生かして外回りのディフェンスもできるのが特長です。これまでの大会では「全然守れなかった」というディフェンスで一生懸命に足を動かし、ブロックショットから速攻に繋げるビッグプレーが飛び出すなど相手を苦しめました。

色摩コーチは「今回みたいにボールに食らい付いてやってくれるなら十分に考えられます」と、来たるべきウインターカップ予選のメンバー入りに向けて、さらなる成長を期待しています。

アマダスン選手も「期待されているのはうれしいです。これからの1カ月でまだ試合や遠征があると思うので、そこでチャンスをどんどんつかんで、次の試合の反省点を良いところ良いところへと成長して、ウインターカップでプレータイムをもらって良いプレーをしたいです」と意気込みは十分です。

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