REPORT 現地レポート

僅差の戦いが続く中、惜しくも6連敗「選手たちが溌剌とプレーしていたことが何よりの収穫」ーー東京成徳大学

2022年11月10日

「U18日清食品トップリーグ2022(女子)」での6試合を終えた東京成徳大学は、10月8日の岐阜女子戦は63-69、翌日の安城学園戦も72-79と惜しくも敗れ、残念ながらまだ未勝利のままです。

厳しい結果が続いていますが、「トップリーグは強豪チームと対戦できる良い機会であり、全国トップレベルのチームとの対戦を通じて毎回成長できるように、1回1回の試合でできなかったことに対して自分から声をかけて、コート内でもみんなを鼓舞することを心がけています」とチームを引っ張るのは、キャプテンの山宮好葉選手です。なかなか勝てなくても、この経験がウインターカップ予選を突破する原動力となり、そしてウインターカップで笑顔になるための試練でもあります。

リーグ戦を通じて良くなっている点として、「これまでの試合よりもまわりがしっかりと走ることができていて、重たい展開になったときもそのまま引きずることなく、天野(希咲)や高松(花栞)がしっかりと3ポイントシュートを決めて、悪い流れを断ちきってくれたことは今までなかったことです」と山宮選手は感じています。

最後まで諦めないディフェンスにも磨きがかかってきました。小林康裕コーチは「ディフェンスからがんばることをテーマにチーム作りをしています。球際、リバウンド、ルーズボールを大事に選手ががんばってくれたことで追い上げが見せられたと思っており、本当に成長を実感しています」と岐阜女子戦を振り返ります。山宮選手も「これまでは引いてしまっており、もっと自分たちからプレッシャーディフェンスをしなければいけないという反省点がありました。岐阜女子戦ではどんどん前から当たって行って、留学生の高さにも恐れることなくディフェンスからプレッシャーをかけていこうと話をしてこの試合に臨みました」という気持ちの変化がプレーにも現れています。

山宮選手が1年生の時、東京成徳大学はウインターカップ決勝の舞台に立ちました。そのときの経験を踏まえ、「今は自分が3年生になり、私たちが中心となって引っ張りながら、下級生がついて来られるようにすることが大切だと思っています」とチームをまとめています。2年生がコートに立つ時間帯も多く、「失敗を恐れないで強気でプレーしていいよ」と声をかけ、みんなが思いっきりプレーできる環境作りに気を配っていました。

トライ&エラーができるリーグ戦は、「選手よりも私の方が勉強する機会になっています」と小林コーチは話します。
「前節の昭和学院戦も僅差で敗れました。そのときはタイムシェアもうまくできず、私の中で攻めごころが出てしまい、勝たなければいけないと思ったことで、選手それぞれの自分らしさを出し切ってあげられなかったということを感じました。今日はタイムシェアをしながら多くの選手をコートに出して、その中でみんなが力を発揮してくれたことが、最後の追い上げにつながったと思います。今一歩足りず、結果がすべてなのでなんとも言えないですが、前節に比べて選手たちが溌剌とプレーしていたことが何よりの収穫です」

60-104で敗れた桜花学園戦以外は、いずれも僅差の戦いが続く東京成徳大学。「いろんなタイプのチームを相手に僅差のゲームができていることは、とても良い経験になっています。ただ、そこで勝ち切るためには、もうひとつ何かが必要だとも感じています。力がついてきたことと、勝つためにもうひとつ必要なものがあるという両輪を実感しています」と小林コーチは話し、ウインターカップ予選と最終戦へ向けた準備が待っています。

「インターハイに出られずにすごく悔しい思いをしたので、このトップリーグはすごく良い機会になっています。これを糧に、ウインターカップ予選がこれからあるので、そこに向けてしっかりがんばっていこうと思います」と山宮選手がいう東京都予選最終日は11月13日。その後11月27日のトップリーグ最終戦では、成長した姿が見られることを期待しています。

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