多彩なスキルを持つ1年生エース、大柴沙和──日本航空(山梨県)
2022年12月5日
「U18日清食品 関東ブロックリーグ」はホーム&アウェーでの戦いが続いていますが、11月26日と27日は女子の参加8チームが群馬県草津市の草津総合体育館に集まるセントラル開催となりました。
日本航空は土浦日本大学と対戦。前半を終えて28-37と劣勢でしたが、第3クォーターを22-11として一気に逆転。最後の最後までもつれる接戦を61-60で制しました。
日本航空は2人の留学生プレーヤーを擁しますが、それ以外の日本人選手は最も身長のある選手でも171cmとサイズのないチーム。蒲生壮扶ヘッドコーチは「本当に小さいのでディフェンスをとにかく強化しないといけない。個を出しつつも力だけでは勝てないので、寄りを早くする、ローテーションを早くする。今日もピックアップが遅くてカウンターアタックになってしまったり、気配りがまだ足りないですね」と語ります。
それでもエースの岡崎真依選手を起点にプレーを組み立てる土浦日本大学に対し、「エースにはやられてもいいけど、それ以外の点数は抑えよう。リバウンドを取られてセカンドショットを打たれるようなプレーは絶対にやめよう」という作戦が功を奏して、ロースコアの展開に持ち込んだ結果の勝利となりました。
オフェンス面では留学生プレーヤーの高さ、オフェンスリバウンドからのゴール下が威力を発揮しましたが、留学生の能力が高いだけに依存してしまう課題も見えました。そんな中、自分で打開し、得点を奪おうと奮闘したのが大柴沙和選手。160cmの1年生ですが、「ミニバスや中学のコーチが教えてくれたのを基に、今は教えてもらうと言うより感覚でやっています」と本人が語るクロスオーバーやヘジテーションなど多彩なスキルを駆使して相手に飛び込ませず、個人技でズレを作り出してオフェンスを組み立てていきます。
「前半は自分でアタックに行けずにアウトサイドばっかり打っちゃったり、ボールカットされてブレイクに持っていかれたり、自分のミスで失点に繋がったシーンがあって反省するところが多かったです」と振り返る前半はチームも劣勢でした。
なかなかリズムに乗れない大柴選手を見て、「あの子が切れるとウチは切れてしまう。今日は気分良くプレーさせるためにもアイソレーションをさせました」と蒲生ヘッドコーチは策を打ちます。そのアイソレーションからの得点が決まるうちに大柴選手は本来のリズムを取り戻し、それに呼応するかのようにチームも勢いに乗って、逆転劇へと繋がりました。
まだ1年生ですが、スキルの面でも積極性の面でもコートで一際目立つ大柴選手。このリーグ戦の中で「今までよりもコートを広く見れるようになって、ドライブからのゴール下への合わせのパスが良くなったと思います」と成長しています。
優れた技術に独特のリズムを持つ大柴選手は、リーグ戦をこなしながら先輩たちと「その時その時で起きたことはいろいろ話し合うことで、プレーが合ってきた感覚があります」と語ります。「留学生の力を上手く使いながら、それだけにならないように自分たちもオフェンスにディフェンスにと走って、一人ひとりの力を出して戦いたいです」