四日市メリノール学院（三重県）は、中学校の女子バスケ部がJr.ウインターカップで2連覇する強豪チームであり、高校も昨年に、創部3年にしてウインターカップ初出場を果たしました。それでも、中学校の有力な選手の多くは、県外の高校に進学します。中高どちらのバスケ部も担当する稲垣愛ヘッドコーチは、「メリノール中でほとんど試合に出ていなかった子もいるし、他の中学からメリノール高を選んで来てくれる子もいます」と言います。

8月9日から11日まで行われた「U18日清食品 東海ブロックリーグ2022」で主力を務めた中にも、他県からメリノール高にやって来た選手がいました。杉村遼奈選手は八王子一中の出身。昨年は2年生としてウインターカップでプレーしましたが、今年は3年生として責任を背負っています。

「去年はインターハイもウインターカップも出させてもらったんですけど、今年はインターハイ出場を逃してしまって、甘いところがあったと思います。私は去年もスタートで出ていたのですが、去年の3年生に頼っていた部分がありました。今年は最高学年ですが、最初は全然まとまりがなくてダメでした。チームがもっとまとまるように自分がプレーで示して、引っ張っていきたいです」

インターハイ予選を終えて精神的に一つ成長した杉村選手は、責任感に向き合ってチームを引っ張ろうとしています。「一つの練習を良いものにできるか、明日にどう繋げるかを考えて大事にしていきたいです。最後の学年なので、すべてがラストだと思ってやるようにしています」

2年生ながら四日市メリノール学院のオフェンスの軸となるのが志摩香奈子選手。稲垣コーチが「抜群のセンスがあります」と表現するスコアラーですが、本人は好不調の波が激しいことが課題だと語ります。

「良い時は良いんですけど、悪い流れの時に決めきれなくて粘れなくて、相手にやられて結局負けてしまう試合がありました。苦しい時こそディフェンスで粘ったり点を取ったり、チームを引っ張れるような選手になりたいので、練習の時からもっと粘り強さを意識して、気持ちの面で強くなりたいです」

杉村選手が3年生になってチームを引っ張ろうとしているのと同様に、志摩選手も去年からさらに成長したいと感じています。「1年生の時はオフェンスで点を取ることだけを考えて、とにかく思い切りやるだけでした。でも今はオフェンスにしても、どのように点を取るかの過程を大事にしたり、今後レベルが高くなるにつれてディフェンスもできないと勝てないので、ディフェンスも意識するようにしています」

杉村選手も志摩選手も、ウインターカップ予選に向けてもっともっとレベルアップが必要だと感じています。

杉村選手は「今までディフェンスに甘さがあったのですが、インターハイ予選で負けた時に比べたらできるようになっていると思います。東海ブロックリーグでは、どの試合も前半はそれが出せたのですが、後半は体力がなくなって粘れないので、もっと練習したいです」と、志摩選手は「レベルの高いチームとの対戦で課題が分かりました。6試合で2勝しかできなかったのは悔しいので、もっともっと練習します」と語ります。

収穫と課題があり、新たなモチベーションを見いだせた3日間。秋に向けて良いステップになったようです。