REPORT 現地レポート

三重の王者復活を誓って「一人が頑張るんじゃなくて全員で鼓舞して」/県立四日市工業(三重県)

2022年11月18日

県立四日市工業(三重県)は全国大会の常連校ですが、インターハイはここ3年、ウインターカップはここ2年と全国大会から遠ざかっています。今年のインターハイも、県予選の決勝リーグで四日市メリノール学院に敗れ、出場を逃しました。

ウインターカップ出場に向けて、「U18日清食品 東海ブロックリーグ2022」はチーム強化の貴重な機会となりました。水谷幸司ヘッドコーチはこう語ります。「ウインターカップに向けて、この大会が一つの目標になりました。3日間で6試合なのでハードですが、インターハイでは使っていなかった1年生の2人が結果を出してくれました。こういった環境があると選手はモチベーションを維持しながら練習ができて、雰囲気も良くなります」

全国大会常連校の思わぬ苦戦の背景には、新型コロナウイルスがありました。今の3年生たちは、入学して最初のインターハイが中止になり、そこから高校バスケ生活は新型コロナウイルスに振り回され続けています。

「今の3年生は入学前の3月にまず練習参加ができず、コロナ禍で学校として宿泊が認められいので夏の合宿も2年間できませんでした。もともとウチは県立で、能力のある選手を集めるわけではありません。練習を頑張って頑張って、チームで戦うバスケをやるチームです。ですから、練習量が落ちてしまうと本当にきついです」

3年生の水谷旭選手も「コロナの影響は大きいです」と言いますが、「でも自分たちの練習の取り組み方が良くなかったのもあると思います。コロナのせいにはせず、自分たちで練習からもう一回見直すよう心掛けています」と続けます。

それでも今年の夏はようやく、思うような練習ができていると水谷選手は言います。「2年前、1年前と比べると、今年の夏はすごく充実しています。合宿ができたのがまず良かったですし、それは水谷先生や他のコーチ、保護者の方たちのおかげなので感謝しています。県立四日市工業バスケットボール部はやっぱり全国に行かなきゃいけない。歴史ある学校なので、OBの人たちに恥じないよう責任感を持ってやっていきたいです」

水谷選手が突き詰めるのは、県立四日市工業の伝統的なスタイルです。「自分たちは個人能力があるわけじゃないので、一人が頑張るんじゃなくて全員で鼓舞し合って走って、それを日頃の練習から一生懸命やることで本番で出せると思っています。夏を逃した分、冬は必ず全国に行って一つでも多く勝ちたいです」

水谷ヘッドコーチは「何とかして今の3年生を全国大会に行かせてあげたい、全国大会で勝たせてあげたい」と言います。「今の3年生はすごく勤勉にバスケに取り組んでいますが、どうやって自信を持たせるか。1年生は怖いもの知らずにプレーできているので、3年生の勤勉さと1年生の大胆さを上手くミックスして勝負したいです」

「県内の王者復活を果たして全国で戦いたい。きっちり本来の姿に戻したいと思います」と強い意気込みを持ち、日々の練習に向き合っています。

 

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