REPORT 現地レポート

アクシデント続きの悪い流れを断ち切ってエース復活を待つーー正智深谷

2022年11月11日

正智深谷は、1年生からエースとしてチームを2年連続のウインターカップ8強へと導いたルーニー慧選手が3年生となる勝負の年を迎えていますが、ここまでチームはアクシデントに見舞われ続けています。ルーニー選手を含む主力にケガが相次ぎ、そしてインターハイでは体調面の問題で出場辞退を決断せざるを得ませんでした。

ウインターカップでベスト8の壁を破って全国制覇を成し遂げるべく、気持ちを切り替えて再スタートする舞台が「U18日清食品トップリーグ2022」となりますが、まだチームは万全ではなく、開幕節では帝京長岡に、第2週は仙台大学附属明成、中部大学第一と強豪相手に3連敗を喫しています。

ポイントガードの菊田隼利選手も、膝のケガによる長期離脱から復帰したばかり。試合のリズムを取り戻し、これから調子を上げていく段階で、成田靖ヘッドコーチも「せっかく我慢してきたので、無理せずこらえて」と辛抱強く復調を見守っています。

その菊田選手は、復帰戦となった9月10日の帝京長岡戦では18分半のプレーで7得点を記録しましたが、チームは第3クォーター終了時点で大差を付けられる完敗となり、「不甲斐ない試合をしてしまった」と語るも、「運動量が課題だったので、1週間の練習でそこを上げてこの試合に臨んで、シュートタッチも少しずつ戻って来ています」と復調を実感しています。

また「先週は久しぶりで楽しかったんですけど、周りとの差もあってヤバいなと思いました」と、周囲の成長に危機感も感じており、メンタルの面でも良い刺激を得られています。実際、9月17日の明成戦では28分の出場で16得点、翌日の中部大学第一戦では31分の出場で12得点と、着実に調子を上げています。

菊田選手だけでなく、明成戦と中部大学第一戦で2桁得点を記録した1年生のグビノグン デロック選手の台頭など、インターハイに参加できなかった正智深谷ではどの選手もリーグ戦で良いきっかけをつかみ、冬に向けた成長の糧にしようとしています。

ただ、チームとしてまだ課題が多いのも事実です。成田コーチは明成との試合、3ポイントシュート8本を決められた第3クォーターを振り返り、「何をやられているか自分たちで判断しないといけない」と課題を挙げました。「ベンチからの指示を待つと後手を踏んでやられてしまう。受け身の集団、操り人形のチームになってしまうのではなく、自分たちで主体性を持ってコミュニケーションを取れるようにならないといけません」

成田コーチによれば、ルーニー選手も間もなく復帰の予定で、10月からのリーグ戦には出場できるとのこと。彼もまたリーグ戦の中で調子を上げて、高校バスケ最後となるウインターカップへと向かいます。

経験豊富な彼であれば、流れが悪くなった時に仲間を集めて声を掛け、コミュニケーションを取ってくれると成田コーチは期待しています。またルーニー選手が復帰することで他の選手たちの負担が減るので、今まで以上に個々の持ち味が出せるはずだと、メンバーが揃った際の良いケミストリーにも期待しています。

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