REPORT 現地レポート

成長した姿を見せることが恩返しになるーーつくば秀英(茨城県)

2022年11月11日

「U18日清食品 関東ブロックリーグ」での2シーズン目を迎えているつくば秀英。開幕戦の県立日川戦は91-60で快勝しましたが、その後は連敗が続き、10月9日の市立船橋戦が終わった時点で1勝4敗。つくば秀英の稲葉弘法コーチは「負けが多くなっていますが、全体的にはディフェンスは良くなっている手応えは感じています」と話すとおり、結果だけではない充実した試合を続けています。

昨年の関東ブロックリーグを経験し、「対戦相手が決まっているので映像を見て確認しながら戦術として準備し、それを試合でどこまで遂行できるかを試す機会になっています。でも、後出しジャンケンのように相手は次の策を講じてくるので、それにまた対応しながら多くの選手がレベルアップでき、とても良い経験になります」と利点を挙げます。

チーム力向上をテーマにして臨んだ昨年とは違い、「今年はどの試合でもロスターに入った選手を全員起用し、スタートも毎試合変えながら選手の底上げを図るためにリーグ戦を活用しています」という稲葉コーチ。インターハイではベンチ外だった1年生の小野次郎選手や朝日開路選手らを積極的に起用し、「将来はチームの顔になる選手たち」と期待を込めていました。

岸本拓也キャプテンは、「ウインターカップ予選までの期間に強い相手と対戦でき、今日も市立船橋と県1位同士で試合ができることは数多くできる機会でもありません。ここで出た課題や強い相手に対して通用したことを、ウインターカップ予選に向けて突き詰めていき、そして克服していくことで成長につながります。その意味でもこのリーグ戦はとても大事です」と話しており、充実した日々を過ごすことができています。

負けたら終わるトーナメントでは、「常に自分たちが通用するものをずっと出していかなければならないです。でも、リーグ戦では負けても強いチームとの試合が続くので、そこで自分たちが新しく取り組んでいることがどれだけ通用するかを試すことができます」と岸本選手もリーグ戦の利点を挙げ、チームの成長とともに個人としてもプレーの幅を広げる機会にしています。

トップリーグとは違い、ホーム&アウェーで行われているのがブロックリーグの特徴です。市立船橋戦が最後のつくば秀英ホームゲームとなり、用意した客席では足りないほど盛況でした。「応援される選手になる」ことを常に意識し、そのためにも「バスケだけではなく、いろんな人たちに気配りや目配りをしながら私生活から成長してきました。それを、バスケにもしっかりつなげてきた部分を見てもらいたいです」と岸本選手は言い、保護者の皆さんの応援にプレーで応えていました。

この2年間はコロナ禍によって無観客試合が多く、練習さえできなかった3年生たち。稲葉コーチは、「トータルとして半年分くらい高校バスケができない時期がありました。ゲーム経験が少ないこの世代にとって、リーグ戦は本当に大きいです」という価値を見出しています。「1年生のときは関東大会やインターハイも中止になり、ウインターカップだけでしたが、それも無観客開催でした。保護者の方々に支えながら自分たちはバスケができているのに、それを見せられるのが悔しかったです」と岸本選手は振り返ります。この関東ブロックリーグやこれからはじまるウインターカップ予選を通じて、「成長した姿を見せることが恩返しになる」と考え、大きなモチベーションになっています。

NOW LOADING

TOP