REPORT 現地レポート

宮本しずくと正本陽菜乃「プレッシャーで死にそう」な抜擢に応えて/県立城北(徳島県)

2022年9月30日

県立城北(徳島県)はディフェンスで粘り、トランジションと3ポイントシュートで戦うチーム。夏のインターハイは県予選の決勝で県立富岡東に敗れて出場できず。今は2019年以来3年ぶりとなるウインターカップ出場を目指してチーム強化に励んでいます。

「U18日清食品 四国ブロックリーグ2022」では3週目を終えて5戦全敗と結果は出ていませんが、強い相手と実戦を繰り返すことで、チーム作りの遅れを取り戻しています。

西山史恵ヘッドコーチは「コロナで夏休みも半分ぐらいは練習ができず、県外のチームとほとんど試合ができませんでした。毎年ウインターカップまで時間が足りずにやりきれないところがあるのに、今年は本当にまだまだ時間が欲しいところなんですけど、このリーグで四国のトップチームと試合をさせてもらえるのはありがたいです」と語ります。

9月24日には英明(香川県)と対戦。前からガツガツとプレッシャーを掛けてくるチームだからこそ、西山コーチは「もっと戦う気持ちを出してほしい」と感じている下級生のプレータイムを伸ばしました。宮本しずく選手、正本陽菜乃選手はどちらも2年生のシューター。これまでは宮本選手が「10分ないぐらい」、正本選手が「1試合で2~3分」というプレータイムでしたが、この試合では主力として起用されました。

宮本選手はスタートに抜擢されました。「自分が出れてうれしいのと、結果を残さないといけないと思って」と話しますが、どちらかと言えば「プレッシャーで死にそうでした(笑)」と振り返ります。ただ試合では「最初から周りを見れずにパスミスばかりしてしまいましたが、ジャンプシュートが1本決められたのは良かったです」と手応えはあったようです。

正本選手は「今日は3ポイントシュートをたくさん打って結構入ったのでチームに貢献できました」と、こちらも強豪との対戦で良い自信を得られています。

西山コーチは選手たちを「戦いの中でミスが多いんですよね。優しい子ばかりなので」と言いながらも、英明との1試合の中でも選手たちが成長する様子が見て取れたと語ります。実際、前半は相手の勢いに押し込まれる場面が目立ちましたが、宮本選手と正本選手も含め県立城北は西山コーチの「戦うことを嫌がるな」という指示を実行して、後半には英明の激しさに一歩も引かずに渡り合うようになっていました。

「結局、慣れるんですよね」と西山コーチは苦笑しつつ、こう続けます。「試合を通して当たりがあるのがバスケットボールなので、そこはどんどん当たって、強さに負けないようにしてほしいです」

宮本選手も正本選手もシューターで、3ポイントシュートの技術はあるのですが2年生とあって激しい当たりに慣れておらず、ディフェンスに回ると引いてしまうのが弱点だそうです。

それでも宮本選手は「自分がもっとディフェンスで相手を止められたらチームも良い雰囲気で試合ができると思うので、もっとディフェンスを強化します」と言い、正本選手は「私もディフェンスの最後の詰めが甘いので、最後まで粘って手を挙げてシュートを打たせないように。頑張ってディフェンスでついていきたいです」と、課題はしっかりと分かっています。

西山コーチは「サイズもあるのですが、生かしきれていない。富岡東さんもスピードがあってバチバチ来るので、そういうチームと今日みたいな試合ができたのは良い経験です。この強度を忘れずに普段の練習から出していってもらいたいです」と、ここで得た収穫をチームの本当の力にしてほしいと期待しています。

ウインターカップ予選では宮本選手、正本選手も含めてより強く、たくましく戦う県立城北の姿が見られそうです。

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