REPORT 現地レポート

待望の1勝。次の試合も自信を持って――昭和学院

2022年9月30日

 初勝利を懸けた譲れない試合は、昭和学院高等学校(千葉)に軍配があがりました。70-66。最終スコアが示すように、どちらが勝ってもおかしくないゲーム展開でした。

 3敗同士で迎えた東京成徳大学高等学校(東京)との「U18日清食品トップリーグ2022」4戦目。昭和学院は前半で背負った5点ビハインドを後半の立ち上がりにひっくり返し、試合終了残り2分を切った時点では70−61としました。しかし、ここからの試合運びに苦戦。落ち着いてボールをキープして時間を進めたいところでしたが、相手にパスカットを許してしまうなど、最後は4点差まで詰められてしまいました。

「若いチームなので毎試合毎試合、何をしでかすか分からない」。鈴木親光コーチがそう不安視する1、2年生主体のチームは、確かにこの試合でも波がありました。それでも、前日に試合のなかった東京成徳大に対し、昭和学院は24日に桜花学園高等学校(愛知)と戦って52-104で大敗したあとでも気持ちを切り替え、待望の1勝を手にしました。

「今日は戦えたかな」と少しだけ頬を緩ませた鈴木コーチ。「昨日は桜花さんとやらせていただいて、昨日、今日と連戦でした。おそらく体力的にもきつかったと思いますけど、大会を通じていろんな刺激を受けながら、気持ちの面も少しずつ強くなってきているなと思います」と選手たちを称えました。

 タイムアップの瞬間、昭和学院の選手たちは初勝利にもどこか浮かない表情をしていました。先発ガードとしてまとめ役を担う清水さくら選手は、「最後、危ないプレーで終わってしまって、内容としてはあまりよくなかったので……」とその理由を明かしましたが、笑顔でこう続けました。

「この大会に参加するにあたって全敗は絶対に嫌でしたし、チームでも『勝ちにこだわって戦おう』という話をしていたので勝ち切れてよかったです」

 この夏、昭和学院はインターハイ予選で敗れ、夏の全国大会への出場は叶いませんでした。今回のトップリーグでも初戦から京都精華学園高等学校(京都)、安城学園高等学校(愛知)、桜花学園の前に力の差を見せつけられ、清水選手は「この半年間は負けてばっかりで、負け癖がついていました」と振り返ります。そんなチーム状況において、一筋の光のように差し込んだこの勝利は、今後の活路を見出す大きなきっかけになるはずです。

 昭和学院は現在、トップリーグの試合と並行して千葉県のウインターカップ予選を戦っています。こちらはリーグ戦ではなく、一発勝負のトーナメントです。チームは10月8日に大阪薫英女学院高等学校(大阪)とのリーグ戦を控えていますが、その後の22日には予選の準決勝で千葉経済大学附属高等学校と戦います。

 千葉経済附属は今夏のインターハイ予選を勝ち抜いた相手。ですが、清水選手は言います。「次のウインターカップ予選で千葉経済に勝たなければ(本戦に)出ることはできないです。でも、ここでしっかりと勝ち切れたので、自信を持って次の相手に挑めると思います」

 大一番へ向け、昭和学院の士気は一層高まっています。

NOW LOADING

TOP