地元・新潟での試合。モッパーを務めた兄の目の前で ――前橋育英 #7 千原碧真
2022年10月3日
10月1日に行われた「U18日清食品トップリーグ2022(男子)」の会場は、新潟県にある鳥屋野総合体育館。地元での試合で気合いが入っていたのは、帝京長岡高等学校(新潟)の選手たちだけではありませんでした。
「いつもより気合いが入っていましたし、自分の兄が試合中にモッパー(コートスイーパー)をやっていたんです。なので、いいプレーを見せられればなって思っていました」
そう話すのは、前橋育英高等学校(群馬)の7番・千原碧真選手です。
千原選手は新潟県柏崎市出身。兄と同じように地元の高校へ進むことも考えていましたが、「入学する前の夏に前橋育英の練習会があって、参加してみたらすごくいい雰囲気だったので」と、前橋育英の門を叩きました。
この日行われた試合は、仙台大学附属明成高等学校(宮城)との一戦。初勝利を目指して戦った今大会の4戦目でしたが、結果は61-71。けれど試合中は、仙台大明成の佐藤久夫ヘッドコーチが檄を飛ばす場面が多くあった一方、前橋育英の加賀谷寿HCは選手たちへ拍手を送り続けました。前橋育英は高さで勝る相手に対し、一人ひとりが懸命に足を動かし続けて相手を苦しめたのです。
「試合前に、選手たちにはリバウンドやルーズボールに飛び込んで、気持ちで途切れないようにと伝えました。負けはしましたけど、そこの部分は大体やってくれたと感じています」
加賀谷HCが選手たちを称えれば、千原選手も「今日はディフェンスが徹底できていたので、そこは良かったです」と試合後に笑顔を見せました。
今年のチームにおいて、千原選手は得点源の1人でもあります。ここまでのトップリーグでも8番の矢野匡人選手とともにオフェンスを引っ張り、仙台大明成戦では矢野選手が20得点、千原選手がそれに次ぐ14得点をマークしました。
第3クォーターには持ち味のシュート力を発揮し、連続で3ポイントシュートを沈めた千原選手。気合いの表れはこの試合で放ったシュート本数からも分かるように、チーム最多となる23本のフィールドゴールを放ちました。
しかし、最後の10分間では3ポイントがリングに嫌われ続けると、フリーで打ったゴール下のシュートも決めきることができず。千原選手は「4クォーターの途中くらいから少し足がつってしまい、気持ち的にもだんだん落ちてしまっていました」と漏らしました。
「次の試合は修正したいです」。千原選手が言うように、負けた試合の反省点を挽回できる機会がすぐ訪れるのが、リーグ戦のメリットでもあります。前橋育英は一度群馬に戻り、10月8日は再びトップリーグの試合を戦います。その相手は帝京長岡です。
「強い相手にも自分の持ち味である得点が取れるように。そのうえでディフェンスも頑張ってチームを助けたいです」
一週間後に行われる地元チームとの試合へ向け、最後は前を向き、千原選手は体育館を後にしました。