REPORT 現地レポート

『未見の我』――松江西

2022年11月13日

チームベンチの上には、『未見の我』と書かれた横断幕が掲げられています。

自分の限界を勝手に決めつけるのではなく、より高い目標を立て、まだ見ぬ自分に出会おうという意味です。松江西高等学校(島根)の教育テーマ「未見の我の発見」になぞられた言葉であり、加藤誠治ヘッドコーチもこう意味を説きます。

「勉強でもバスケットでもいいので、自分で目標を見つけて、努力して、新しい自分を見つけてくれたらという想いが込められています。バスケットでも自分たちの限界を作らず、少しでも上を目指して頑張ろうという話をしています」

未見の我を求めて挑んだ「U18日清食品 中国ブロックリーグ2022」にて、松江西は勝利を手にすることができませんでした。

今大会は男女各5チームによる1回戦総当たりのリーグ戦です。どのチームも1、2年生のみのメンバーで臨んでいます。松江西の初戦からの試合を振り返ると、県立広島皆実高等学校(広島)に74-104、県立豊浦高等学校(山口)に68-93、県立岡山工業高等学校(岡山)に71-94、そして最終戦の鳥取城北高等学校(鳥取)にも64-90で敗戦。全てにおいて大きな差をつけられてしまいました。

0勝4敗。鳥取城北との試合後、加藤HCはちょっぴり厳しい言葉で大会を総括しました。「今年のチームは3年生が中心です。そこに下級生たちが割って入れていないのが現状でして、試合に出ているのは1人くらい。今回のスコアを見てしまうと、ちょっと場違いな感じがしてしまいますね……。そのなかでも、下級生たちは他のチームの同学年の子がどれくらいのレベルなのかを体感できましたし、改めて自分たちの力がないことも含め、良い刺激と経験になったと思います」

勝利という結果を掴むことはできませんでした。けれど指揮官が言ったように、1、2年生たちにとってはこの悔しさが「良い刺激と経験」となり、また新たな自分に気づいた大会になったはずです。

これからは2年連続の出場を懸けたウインターカップ予選が始まります。「一番大事なのは出たいという気持ち」。加藤HCは言葉に力を込めました。

本戦行きの出場権獲得とともに、未見の我に出会い、チームをウインターカップへ導く1、2年生が現れるかにも期待です。

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