「自分たちの成長の道を自分たちで作っていきたい」――明星学園 #46 日部瞳
2022年11月24日
11月19日、明星学園は岐阜女子と対戦して61-77で敗れました。翌日の昭和学院との試合にも51-82で敗れ、これで6試合を戦って未勝利が続いています。
岐阜女子との対戦では開始5分で4-14と10点差を付けられ、そこから立て直したものの、この点差を埋めるのに苦しみました。190cmと身長のあるジュフ ハディジャトゥを中心とする岐阜女子のバスケに圧倒されながらも平面のバスケで踏ん張り、終盤に追い上げたものの勝利には届きませんでした。
日部瞳選手は40分間フル出場し、ポイントガードとして試合を組み立てて15得点を記録。「今回は人数が少なくて、いつものスタートのメンバーもいなかったんですけど、その中でも勝ちに行くこと、みんなで楽しんでバスケをするのが目標でした。途中で点差が開いて、追い上げたんですけど勝ちきれなかったのは悔しかったです」と試合を振り返ります。
出だしのつまずきが響きましたが、試合開始直後は「焦りや緊張でシュートを早打ちしてしまった」とのこと。「みんな緊張すると『自分が、自分が』とプレーしてしまうので、私から声を出して、みんなで声を掛け合えるようにしたい」と日部選手は言います。
それでも、「U18日清食品リーグ バスケットボール競技大会」のトップリーグを通じて、コートでもベンチでも最も声が出ているチームが明星学園です。この試合では7人ローテとコートに立つ選手は少なくても、ベンチにいるメンバーも盛んに声を出し、良いプレーには盛り上げ、悪いプレーには切り替えをうながして、全員で戦う姿勢が見られました。
日部選手によれば、「もともと学校でも学校以外でも学年に関係なく仲が良くて、練習から声を出してやっているから、試合でも声が出て盛り上がっている雰囲気を作れるんだと思います」とのこと。
今の明星学園は指導者不在で、日々の練習でも試合でも、選手が主体となって活動しています。「3年生が中心となって積極的に声を出しています。気持ちがたるんでいるわけじゃないですけど、これからウインタースポーツに向けてどれだけ気を引き締めるのかと考えるとまだ足りないので、キャプテン(梅村成理)と副キャプテンの私、部長(鶴丸聖奈)の3人で他の人よりも引っ張っていかないといけないと思っています」
選手がみんな良い関係を築き、バスケを楽しめているのは非常に良いことですが、勝負に勝つには厳しさも必要になってきます。日部選手はそれを理解しつつも、バスケを楽しむ気持ちを失わないまま、気持ちを引き締めようとしています。
「厳しくするところは厳しく、楽しむところは楽しく。以前は負けていると楽しむような雰囲気ではなかったし、ベンチも気持ちが下がったりしていたんですけど、今はコートに出ている選手に良いプレーができていない時こそベンチが盛り上がろう、指示を出したり励ましたりしようと話しています」
指導者はいませんが、その分だけ選手が主体性を持って行動できるのが明星学園の強みです。「良い試合はできても負け続けていて、そこからどう勝ちに持っていくかが自分たちの課題です」と日部選手は言います。
「指導者がいない中でどう改善するか、選手から意見は出ていますが、指導者の目線がないので、それを自分たちでどう見付けてチームを良くしていくかが課題です。それができれば勝てると思っています。3年生はあと1カ月ちょっとしかないので、悔いを残さないように、まずはバスケを楽しんで、楽しむだけじゃなくてもう少し厳しさも出して、自分たちの成長の道を自分たちで作っていきたいです」
トップリーグ最終戦は11月27日に代々木第二体育館で行われます。「多分、どのチームよりも1勝への思いは強いと思います」と日部選手が語るように、明星学園はチーム一丸で、バスケを楽しみながら必勝を期しています。