流れを持ってくるのがポイントガードだろ! 東海大学付属諏訪#14高山鈴琉
2022年11月23日
「U18日清食品リーグ バスケットボール競技大会」のトップリーグを戦う東海大学付属諏訪は、11月13日に福岡第一を対戦しました。
第1クォーターこそ20-19と接戦ながらリードをしていた東海大学付属諏訪でしたが、第2クォーターを4-18とされると、後半は第2クォーターほどの大差をつけられないまでも、福岡第一にリードを保たれながらゲームを進められ、58-77で敗れました。これで通算成績2勝3敗です。
「今までに経験したことのないスピード感と強度でやらせてもらって、相手の流れに持ってかれたところがありました。第1クォーターは自分たちのペースに持っていけたと思うんですけど、一度崩れたなかで、自分たちが立て直すってことができなかったので、そういうところは直さないといけないところだと思います」
東海大学付属諏訪のポイントガード、#14高山鈴琉選手はゲームをそのように振り返ります。前日に福岡第一と対戦した仙台大学附属明成のポイントガード、#6内藤晴樹選手も言っていましたが、相手の流れを断ち切り、自分たちの流れをつかんでからの福岡第一は強い。そのことが2人のポイントガードからの話でわかります。
もちろん近年はさまざまな試合映像を、比較的容易に取り寄せることができるので、東海大学付属諏訪も福岡第一対策はしっかりしてきていました。福岡第一のポイントガード、#8轟琉維選手を高山選手がフェイスガードで守ることで、相手の攻撃のリズムを狂わせようとしたのです。
序盤のそれ自体はけっして悪くありませんでした。しかし相手は今年度のインターハイを制した福岡第一です。轟選手だけのチームではありません。「セカンドユニット」と呼ばれるベンチメンバーが出てくると、流れが変わっていきます。一般的に「セカンドユニット」もしくは「ベンチメンバー」と聞くと、スタメンに比べて力が劣ると思われがちですが、今年度の福岡第一はそこに強さがあります。戦い方はもちろん、スピードと強度もほぼ変わらないまま、フレッシュなメンバーが相手チームに牙をむくわけです。
高山選手もそれに圧倒されたようです。
「ファーストユニットとセカンドユニットで戦うことが今年の福岡第一の力だと思いますし、相手がセカンドユニットを出してきたときに、自分たちには替えがいませんでした。いや、替えがいない中でも自分たちで立て直さなければいけないのに、それをすることができませんでした。オフェンスで得点を取れないときにディフェンスに戻らないなど、詰めの甘いところが出てしまって……。福岡第一はファーストユニット、セカンドユニットはともに、スピーディーなバスケットの中でもディフェンスの強度を保っていたので、そこは厄介なところでした」
ゲームには“流れ”があります。ポイントガードはそれをどのように読んで、どのようにコントロールしていくか。福岡第一は、たとえファーストユニットが流れを作れなくても、セカンドユニットが流れを作り直して、再びファーストユニットにバトンを渡します。そこでまた新しい流れが生まれます。そのようにしてゲームの“流れ”を徐々に自分たちへと手繰り寄せていくのです。
対戦するチームにとっては厄介だけれども、対戦することでそれを肌で感じられたことに大きな意味があります。
高山選手が東海大学付属諏訪に入学して以来、福岡第一と対戦したことは一度もなかったそうです。1年生のときからスタメンポイントガードとしてゲームに出ていた高山選手。さまざまな大会や試合で多くの経験を積んできていますが、福岡第一と対戦することで、また新しい感覚も得られたでしょう。頭ではわかっていたつもりだったことを、肌感覚として得られた今、それをどのように発展させていくか。
「自分たちの流れが悪いときに立て直すのは自分のポジションだと思います。そういったゲームメイクに関しては、福岡第一の(轟)琉維や中部大学第一の下山(瑛司)がうまいので、ゲームメイクに関しては自分ももう一回り成長できるようにしていきたいと思います」
トップリーグも大詰めを迎えています。各チームのポイントガードがどのようなゲームコントロールをするのか。残りの試合も見逃せません。