REPORT 現地レポート

うれしさよりも課題について多く語った優勝会見──福岡第一

2022年11月30日

最終日、最終戦まで優勝の行方が分からなかった「U18日清食品トップリーグ2022(男子)」。福岡大学附属大濠vs福岡第一、無傷の6連勝同士による優勝決定戦。堅守速攻のバスケットスタイルを貫いた福岡第一が76-70で勝利し、インターハイ優勝に続き、男子トップリーグ初代王者に輝きました。

試合後の優勝会見に登壇した選手たちは「優勝できたことはすごくうれしいんですけど…」(轟琉維選手)、「素晴らしい環境の中で試合をさせてもらい、優勝できたんですけど…」(城戸賢心選手)、「強豪校とたくさん試合ができ、たくさん良い経験ができたのは良かったんですけど…」(崎濱秀斗選手)と、「けど…」に続く言葉は課題点ばかりでした。

「やっぱり試合内容の部分ではダメなところがたくさんあったので、ウインターカップまでに修正して、しっかり戦えるようにしていきたいです」(轟選手)

「個人としては波が大きくあり、キャプテンとしてまた1から見つめ直していかなければいけないことを再確認でき、本当に良い大会になりました」(城戸選手)

「チームとしても良かったり良くなかったりという部分が目立ったので、そこはしっかり修正していきたいです。個人としても波がある選手なので、コンスタントに力を発揮できるように、ウインターカップまでにはしっかり仕上げていきたいと思います」(崎濱選手)

トップリーグ出場校にとってはこれで終わりではなく、これからはじまるウインターカップ 2022こそ、高校バスケの集大成。すでに組み合わせが発表され、福岡のライバル同士が次に対戦するのは決勝の舞台となります。「しかし、お互いに勝ち上がるかどうかはわからないですから、もしかすると今日が最後になるかもしれない、全力を尽くして戦おう」と井手口孝ヘッドコーチは選手たちに伝え、最終戦に臨みました。

福岡大学附属大濠は序盤にポイントガードの湧川颯斗選手が負傷し、2年生エースの川島悠翔選手はケガから復帰したばかりで本調子ではありません。第3クォーターを終えた時点で64-59、福岡第一が19点のリードを奪います。しかし、第4クォーターに福岡大学附属大濠が追い上げ、6点差まで詰めた実力はさすがです。3年間、ライバルとしてともに戦ってきた城戸選手は「チーム状況が揃っていない中でも、交代で入ってくる一人ひとりが日本のトップ選手であり、本当に隙がなく、大きくても泥臭いプレーを全員ができるチームです」とあらためて感じ、キャプテンとしてもう一度チームを引き締め直す機会になりました。

あっという間にやってくる12月23日より開幕するウインターカップへ向け、トップリーグやブロックリーグで切磋琢磨したチームが中心となり、さらに盛り上げてくれると期待しています。一方で、バスケットLIVEでの見逃し配信で何度も確認できることで、初戦で対戦するライバルたちも準備に余念はないはずです。

ウインターカップを控える今大会ゆえに、井手口ヘッドコーチは「今日の大濠はおそらく戦術はなし、という戦い方をしていたと思います。このリーグ戦に勝ちたいけど、この後のウインターカップがあることを踏まえた戦い方をされているチームも多々見られました」という印象を持ちながら戦っていました。ウインターカップへ向けた戦いはすでにはじまっており、トップリーグの熱気を帯びたまま高校バスケはクライマックスへ向かっていきます。

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