REPORT 現地レポート

インターハイ優勝で得た自信をへし折られた1年生たちの成長ーー京都精華学園

2022年12月1日

今年のインターハイを制した京都精華学園。「U18日清食品トップリーグ2022(女子)」では桜花学園に66-68と、わずか1ゴール差で惜敗。インターハイ決勝と同じカードとなった最終戦は、大阪薫英女学院に74-61で勝利。1敗をキープし、準優勝で全日程を終えました。イゾジェ ウチェ選手は平均26.9点と平均14リバウンドの2部門、堀内桜花選手も平均7アシストを記録し、それぞれ個人ランキングでトップ。八木悠香選手も平均18.1点(6位)、12.3リバウンド(2位)とダブルダブルの活躍でチームを勝利に導きました。

先発を任された桃井優選手、ベンチスタートながらプレータイムを与えられた橋本芽依選手は、トップリーグを通じて急速な成長を遂げた1年生たち。「インターハイで優勝したことで、若干自信をつけることができました。しかし、その自信もさらに厳しくマークされることで力が出させなくなります。そのことをリーグ戦を通じて感じてもらいたいと思い、また成長の過程になるようにということで無理して使いました」と山本綱義ヘッドコーチは話すように、期待を込めて起用していました。

先発の桃井選手は、「スタートで出させてもらえているのはうれしかったのですが、最初から強気なプレーがあまりできなかったのが悔しかったです」と述べ、最終戦は不完全燃焼だったようです。7点、4アシストとスタッツを残した橋本選手も、「できるだけ自分の仕事をしようとがんばったのですが、できないところが多く、課題も多かったのでこれからの試合でもっと生かせるようにしたいです」と同じく反省点を挙げます。

すでにインターハイで全国レベルを経験済みの1年生たちですが、いずれも強豪揃いのトップリーグでの7試合もまた刺激を受けていました。中学から全国区であり、橋本選手のようにそのまま高校へ上がり、6年間を通じて京都精華学園のバスケスタイルが形成されています。一方、桃井選手は高校から京都精華学園に進学し、「今まで全国大会に出たわけではないので、その分の経験をこのリーグ戦ではたくさん積ませていただくことができました。自分が考えたり、それを行動に起こしたりして、少しでも成長することができる機会になったと思います」と話し、自信に変えています。

中学時代からともにプレーしてきた橋本選手は、「先輩たちがフォローをたくさんしてくださったり、励ましてくださったり、私が自由にできる環境を作ってくださっていると思っています。支えてくれる先輩たちの気持ちにも、ちゃんと応えたい思ってプレーしていました」と積極的に挑みます。唯一敗れた桜花学園戦でしたが、橋本選手はチームハイの19点をマーク。「自分の仕事ができていたところはあるんですけど、ただシュートを打たせてもらって、たまたま調子が良かっただけです。チームに貢献するためにも、やらないといけないことをちゃんと徹底できなかったし、課題しかないような試合でした」と振り返り、敗戦から多くのことを学んでいます。

桜花学園に敗れ、「ウインターカップではリベンジしたい」と燃える桃井選手。「意識していたディフェンスをがんばることはできたのですが、その分あまりオフェンスに意識がいかず、人に任せたり、シュートに行けるのに行かなかったり、自分の弱いところが出てしまってすごく悔しかったです」と課題は明確です。

インターハイに続き、ウインターカップでの2冠を目指せるのも京都精華学園だけ。トップリーグを通じて、いろんな経験ができた1年生の底上げがカギを握ります。しかし、橋本選手は「まだメンバーを選ばれたわけでもないですし、これからチーム内の競争があるので、もっと練習に励んでユニフォームを取れるようにまずはがんばっていきたいです」と気を引き締め、ロスター入りを目指してアピールしなければなりません。全国との強豪と対戦する以前に、チームとして切磋琢磨できる環境も京都精華学園の強さです。

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