REPORT 現地レポート

自分がチャンスを作ってチームの流れを作る──八雲学園(東京都)

2022年12月6日

八雲学園には178cmのサイズと優れたシュート力、そしてバスケIQを備えたエースの薮未奈海選手がいて、ゴール下では179cmのタンジャ マロ ナオミ選手が高さだけでなくしなやかな動きで存在感を見せます。それでも、能力のある選手が個人能力を前面に押し出すのではなく、あくまでチームで戦えるのが八雲学園の強み。そこで貴重な役割を担っているのが原英未選手です。

スピードに乗ったドライブからのレイアップを武器とする選手ですが、それ以上に目立つのは『気配り』の部分。相手が攻めに転じた時にいち早くコースに入ってファストブレイクを未然に防いだり、藪選手のマークが厳しければ自分が下がってボールを一度預かったり、外のシュートが多くなって相手ディフェンスが広がったのを見逃さずに得意のドライブを出したり。攻守両面でチームを支えています。

高木優子ヘッドコーチは「すごく練習熱心で真面目なのでやったことを一生懸命やる子。この3年間で著しい成長をしています」と原選手を評します。「入学当初は今の姿は想像できませんでした。人が良くてあまり自分を前面に出す子じゃないですけど、それがある時に『自分もやれる』と分かってから伸びてきました」

原選手は「相手のスピードがある選手を止めること、チームの流れが悪い時に一発カマすのが自分の役目」と語ります。「攻撃が止まった時は身体の強い自分がカットインを1本力づくでも決める、自分がチャンスを作ってチームの流れを作ることは意識してやっています」

その意気込みがあるからこそ、原選手のアタックは強力な武器となるし、それが相手ディフェンスを引き付けてのアシストにも繋がります。

さらなる成長のために、原選手が今心掛けているのはジャンプシュートです。「ドライブが得意なんですけどドライブしかできないので、自分でジャンプシュートを課題にしてこの大会でもプレーしています。相手に下がられるとドライブに行けなくなってしまうので、そこでジャンプシュートを意欲的に打って決めていければ、相手はもっと守りにくくなると思います。でも、まだまだできていないです」

11月26日の埼玉栄との試合には86-65で快勝。チームの課題である立ち上がりの悪さを克服したことで、八雲学園が終始ペースを握る快勝となりました。

原選手は「インターハイも第1クォーターが上手くいかなくて、点差を詰めようと頑張るんですけど、その点差が埋められず、修正できないまま終わってしまいました。第1クォーターからちゃんと全員で頑張っていく目標があります」と、チームの課題を修正できたことに手応えを感じていた様子。

翌27日は土浦日本大学に58-64と敗れましたが、これは受験などで複数の主力選手が不在となったため。草津総合体育館での2試合は、八雲学園にとって成長を感じられる遠征となりました。

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