北條彪之介は今が伸び盛り「チームで一番点を取る!」/美濃加茂(岐阜県)
2022年8月29日
美濃加茂(岐阜県)は今年のインターハイに出場し、報徳学園(兵庫県)に桜丘(愛知県)と強豪を撃破。ベスト16で敗れたものの、相手は優勝した福岡第一(福岡県)でした。福岡第一には前半で離される完敗でしたが、全国トップレベルの強豪との力の差を知る貴重な経験でもありました。
全国大会でも十分に戦える力はありますが、足りない部分もあります。林龍幸ヘッドコーチは「セットのディフェンスはかなり守れるようになってきましたが、ミスで簡単に与えてしまう点数がまだ多いので、それが防げるようになればもっと良い戦いができると思います」と語り、まずは良いディフェンスを作った上で「ディフェンス終わりのブレイク、アーリーオフェンスのレベルを上げていきたい」と先を見据えています。
3日間で6試合を戦う「U18日清食品 東海ブロックリーグ2022」では、トーナメントとは違う戦い方ができたことで「スタート以外に6人、7人の選手が活躍してくれました。この大会の前から下級生の競争意識は高まったし、今度はそれを上級生が負けないようにするのも感じました。3年生でメンバー外だった選手がプレータイムをもらって活躍し始めていたり、すごく良い経験になっています」と、収穫は多かったようです。
2年生ながら主力を務める北條彪之介選手は、大会のパンフレットには190cmと記載されていますが、まだ身長は伸びていて「今だと192cmあるかもしれないです。でも横が全然ないので鍛えないといけないです」とのこと。今は身体が成長するのに負けないぐらいプレーの幅も広げられるよう、このリーグ戦ではこんなトライをしていました。
「僕はパワーフォワードでミドルシュートを得意としているのですが、オールラウンダーになりたくて最近はドライブと3ポイントシュートも練習しています。この3日間は最初からミドルシュートではなく、アタックしていくことで相手が下がるので、そこでスペースを作ってミドルシュートが打てるよう意識してプレーしていました。中学校までガードだったのでハンドリングもできないわけじゃないので、ドライブをもっと磨くことで外のシュートもより生きてくると思っています」
興味深かったのは大会2日目、「東海大会では負けて、インターハイでは僕らが勝って、向こうはリベンジのつもりで来ていて、僕たちは受けて立つ気持ちで試合をしました」という桜丘との対戦です。
結果は67-78で美濃加茂の敗戦。それでも北條選手曰く、発見はありました。「自分たちの課題が分かった試合で、それはチームの良い流れを長く保てないことです。良い流れが何度か来たんですけど、逆転まで持っていけませんでした。一回ミスしても流れは途切れていないのに、そこで落ちちゃうのが僕たちです。ミスをしてもコミュニケーションを取って、特にコート内の5人で『大丈夫、大丈夫』と声を掛けて流れを持続させること。プレーの先を予測してどこにポジションを取れば周りが楽にプレーできるかとか、そこもコミュニケーションだと思います」
コミュニケーションが課題だと気付いたと同時に、もう一つの発見は相手ベンチの『声』でした。「桜丘の方がベンチがうるさいんですよ。それに気付きました。相手チームに声が出ていてその雰囲気に飲まれてしまった部分があって、僕たちがいきなり声を出そうと思っても無理で、練習の中から意識して変えなければいけないと思いました。プレーだけじゃなく雰囲気でも相手に飲まれないのが大事です」
うれしい勝利も悔しい敗戦も、すべて吸収して成長の糧になります。美濃加茂は今まさにその途上にあります。北條選手はインターハイの経験も「福岡第一さんのようにディフェンスの足をもっと強くして、それを練習の中で打開できるオフェンスのパス回しをできるように。いかにターンオーバーを減らして良いシュートまで繋ぐかを徹底したいです」と糧にしようとしています。
成長のその先に目指すのは「ベスト8です。センターコートに立ちたいです」と北條選手は力強く語ります。個人の目標は「チームで一番点を取ること!」です。