序盤の苦戦をしっかり立て直した夏の女王――京都精華学園
2022年8月28日
今夏のインターハイ女王といえども、まだまだ伸び代の多い、発展途上の高校生です。そのことを改めて感じさせるゲームでした。
今年度より新設された「U18日清食品トップリーグ2022」。女子開幕戦の第2試合に登場したインターハイの優勝校、京都精華学園は序盤から東京成徳大学の思いきりのよいバスケに苦戦を強いられます。結果的には84-72で勝利をあげるのですが、京都精華学園を率いる山本綱義コーチは序盤の劣勢をこう振り返ります。
「インターハイ以降、この夏の疲れが出始めているのかなという印象が強かったので、無理をさせないようにと思っていたことが、逆にゲームの入り方を緩くしたように思います」
#9八木悠香選手は「FIBA U16女子アジア選手権」と「FIBA U17女子バスケットボールワールドカップ」に、#5柴田柑菜選手も「FIBA U17女子バスケットボールワールドカップ」に出場し、帰国後すぐに始まったインターハイでも最終日まで走り続けました。インターハイから約3週間が経ちますが、まだその疲れが取りきれていないのではないか、と山本コーチは言うわけです。
それでも悲願の日本一になって、山本コーチだけでなく、選手たちもまた、その名に恥じないようなプレーをしたいという強い思いが、第2クォーター以降、徐々に結果に現れてきます。山本コーチの「明日は明日や。まずは今日のゲームを戦い抜こう」という言葉に選手たちは奮起して、逆転勝利を手にしました。
力強いプレーでチームに欠かせない働きをした柴田選手は、インターハイ優勝後の日々をこう振り返ります。
「チームとしてインターハイの結果はもう忘れて、自分たちは元々チャレンジャーという気持ちでやってきたので、その気持ちを忘れずに、それはベンチに入っている選手も、入っていない選手も全員が意識をしながら練習もやってきました」
そのチャレンジャー精神が第2クォーター以降の京都精華学園らしい戦いぶりにつながったのでしょう。
またこの試合ではポイントガードの堀内桜花選手が、インターハイ前のコンディション不良を完全に癒やすため、出場していませんでした。それもまた苦戦を強いられた要因のひとつかもしれません。それでも#16橋本芽依選手や#14林咲良選手ら1年生が思いきりのよいプレーでチームに勢いを与えられたことは、今後に向けた収穫と言えます。
「こんなに大きな大会ですし、私たちとしてはこの高いレベルでの戦いをいい意味で利用させていただいて、下級生らに自信を持たせる大会にさせていただきたいなと思っております」
山本コーチがそう言えば、柴田選手もリーグ戦の戦い方をこうイメージしています。
「毎回、異なるチームと試合を組めることで、自分たちの課題を見つけられる試合もあると思いますし、自分たちの通用するところも見つけられると思うので、一戦一戦を全力で、いろんなことを吸収できるような試合をしていきたいなと思っています」
インターハイで優勝したからといって、京都精華学園もそこで立ち止まっているわけにはいきません。ウインターカップに向け、また来年以降に向けてもチームをよりよくするために、彼女たちは準備を続けます。2日目の京都精華学園は、全員がオールラウンドにプレーする安城学園と対戦します。異なるタイプのチームとどのようなゲームをするのか。2日目の京都精華学園の戦いぶりにも注目が集まります。
>>「U18日清食品トップリーグ2022」は、「JBA公式YouTube」と「バスケットLIVE」で全試合LIVE配信いたします。