REPORT 現地レポート

今後のプレータイムを勝ち獲るためのチャレンジマッチーー桜花学園 #8 菊地実蘭

2022年9月24日

 9月3日・4日にアリーナ立川立飛で行われた「U18日清食品トップリーグ2022(女子)」に桜花学園が登場。横山智那美選手、高木美波選手、森美麗選手が女子U18日本代表に選出され、現在開催中の「FIBA U18女子アジア選手権大会2022」に参加しています。主力を欠いて迎えた初戦は、東京成徳大学に104-60で圧倒。長門明日香コーチは、「チャレンジャーだからミスなどを気にせずにどんどん行こう」と経験浅い選手たちのプレッシャーを解き放ったことが快勝につながりました。

 しかし翌日、193cmのアダム アフォディヤ選手を擁し、高さで上回る明星学園に対し、「出だしから重くなってしまいました」と長門コーチが言うように状況が一変します。高さに対抗する深津唯生選手は、女子U16日本代表として大きなオーストラリアとも台頭に渡り合った経験の持ち主。しかし1人では守り切れず、「1年生なのでしょうがないです。そこでもう少しまわりがカバーすることが必要でした」と長門コーチは言い、前半にリバウンドを獲られすぎた反省点を挙げます。

 後半はその課題を修正し、深津選手は鈴木杜和選手とともに、いずれも12リバウンドでチームを支え、ガマンの時間帯を凌ぎます。2ゴール差を追う明星学園に対し、リバウンドやディフェンスで粘った桜花学園が68-62で接戦を制し、2連勝を挙げました。

 今年のインターハイでは、優勝した京都精華学園に63-65で惜しくも敗れ、3回戦敗退。その接戦を勝ち切れなかった課題を克服するために、長門コーチは「技術云々ではなく、コミュニケーションとチーム力を見直そう」をテーマに掲げて取り組んでいます。接戦となった明星学園戦の終盤、「今ここで、もう一回がんばれるかどうかだね。インターハイと同じことを繰り返すようであれば負けてしまうよ」と選手たちに伝えたことで、取り組んできた成果が実りました。

「今回は控えメンバーが中心でも勝ち切ることができました。それを女子U18日本代表組や福王(伶奈)選手ら主力メンバーとどう融合させていければ良いかを考えています。今はチャレンジマッチのような気持ちで、控えメンバーの底上げになれば良いと思っており、今後も一つひとつ強豪校に対して勝ちきっていけるように成長させたいです」 

 東京成徳大学戦では、22点の大活躍だった菊地実蘭選手。「いつもはプレータイムが短い中で役割を果たさなければいけないですが、スタートから出せてもらったので、先のことやチームの流れを考えながらプレーでき、すごく良い経験になりました」と言うように、主力が不在の中でチャンスを得て、いずれも20分以上のプレータイムを与えられています。

 明星学園戦では「思い通りにいかない時間が多くて、それで競った試合になったことで焦ってしまうこと多かったです。でも、みんなで声を掛け合って、メンタルを強くするために練習をがんばってきた成果が出たと思います」という菊地選手にとっても自信につながる試合になりました。

 チャンスをもらっているからこそ、「1試合1試合課題を見つけながら、たくさん試合がある中で1個1個改善していけば、もっともっと良いチームになると思います。これからまた次の試合で課題を克服できるように練習をがんばっていきます」と菊地選手は成長を誓います。このリーグ戦で経験値を上げていき、ウインターカップでもしっかりとプレータイムをもらって活躍することを見据えていました。

 コーチにとっても成長の場となるリーグ戦。「インターハイの負けを通して、いろんな意味で経験不足であることを痛感しました」という長門コーチもまた、井上眞一コーチの留守を守るために、「そのつなぎの意味でも選手たちを勝たせてあげたいです。私自身もこのリーグ戦を通していろんなことを考えながら、できる良い機会になると思います」と述べ、選手もコーチもチーム全員がチャレンジャー精神で臨み、常勝軍団の礎を築いています。

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