ともに3勝同士で迎えた一戦。最も輝きを放ったのは、黒いユニフォームをまとった背番号4でした。

　9月25日、ノーリツアリーナ和歌山で行われた「U18日清食品トップリーグ2022（女子）」にて桜花学園高等学校（愛知）と大阪薫英女学院高等学校（大阪）が対戦。試合は第3クォーターで24-10とした桜花学園が逃げ切り、最終スコア77-69で4勝目をマークしました。

　チームを勝利へ導いたのはキャプテンの横山智那美選手です。「絶対に負けたくなかったので勝ててよかったです」と、ほっとした様子で試合を振り返った横山選手ですが、コートではキリッとした表情で仲間を鼓舞し続け、プレーでも頼もしい背中を見せました。

　この日、主にマッチアップしたのは都野七海選手。大阪薫英のキャプテン兼エースであり、2人は9月5日から11日まで開催された「FIBA U18女子アジア選手権大会2022」に日本代表として出場した間柄でもあります。都野選手との対戦を前に、横山選手は一層の気合いが入っていたと言います。

「チームの勝ちも大事ですけど、自分はそこのマッチアップも注目されていると思っていたので、今日は絶対に負けたくないと思っていました」

　横山選手がこの試合で記録した得点は「24」。後半に入るともう一段階ギアを上げたかのように連続得点やオフェンスリバウンドを奪いました。それだけではありません。ディフェンスでは40分を通して都野選手に仕事をさせず、毎試合にように2桁得点を挙げる彼女をわずか6得点に抑えました。

　横山選手に活躍を許した都野選手は、「オフェンスが熊谷（のどか）だけになってしまいました。自分が点を取らなきゃいけなかったんですけど、横山さんに守られてしまってなかなかドライブに行けなかったです」と悔しい敗戦を振り返りました。

　大阪薫英の安藤香織ヘッドコーチは、敵ながらこんな言葉で横山選手を褒め称えました。

「横山さんがほんとに素晴らしかったです。気合いもそうですし、都野が思うような仕事をさせてもらえなかった。お互い苦しかった時間帯のディフェンスもオフィスも力強くて、本当に素晴らしかったという一言です」

　この日の出来には、横山選手も「相手の好きなプレーをさせずに得点も抑えられたので、自分としても自信になったかなと思います」と自らに合格点を与えました。

　まだ代表活動から桜花学園に合流して間もないため、ベストコンディションではないという横山選手。それでも注目の日本代表対決で躍動し、画面越しに見守ってくれた高校バスケファンの期待に応えた姿は流石でした。

「もうウインターカップに向けた戦いは始まっています」と気を引き締めるキャプテンは、これからも先頭に立って桜花学園を引っ張っていきます。