REPORT 現地レポート

インターハイ出場を逃し、はじめて全国レベルを体感する1年生たちーー前橋育英

2022年9月13日

インターハイ群馬県予選で敗れた前橋育英にとって、「U18日清食品トップリーグ2022」が今年初の全国レベルを肌で感じる機会となります。初戦は中部大学第一と対戦し、62-105で敗れました。試合後、加賀谷寿コーチは「このような雰囲気がはじめてであり、緊張もありました。その中で選手たちは、しっかり最後までディフェンスをやり通し、3ポイントシュートもよく決めてくれました。良いゲームになったと思います」とやさしい表情で選手たちを労います。

インターハイ予選で敗れた原因として、「当時は5〜6人の選手でしか戦うことができませんでした」という点を加賀谷コーチは挙げ、選手層の厚みを増すことが前橋育英にとっては急務です。この夏を乗り越え、少しずつ活躍できる選手が現れてきました。その1人が先発ガードの増田聖大選手であり、プレータイムが増えつつあるディアロ阿慈素選手ら2年生たちの成長です。「彼らの力がなければ、今後のウインターカップ予選も戦えません。全員の力があってこそ良い結果につながると思っています」と言い、このリーグ戦を通してさらに頭角を現してくれる選手に期待を寄せます。

中部大学第一戦でベンチ入りした4人の1年生たちも、コートに立つチャンスを得ました。菊谷宗右選手は7点、2アシスト、2スティールと先輩たちに引けを取らない数字を残します。「菊谷君は昨年の全中(※全国中学校バスケットボール大会)で優勝した経験もあり、1年生らしからぬプレーで貢献してくれています」と加賀谷コーチが期待する八千代松陰中学校を日本一に導いた立役者です。

高校入学後、はじめて公式戦で全国レベルのチームと対戦し、「中学生とは違うフィジカルの強さや、イージーショットは確実に決めてくるので、中部第一のような素晴らしいチームと対戦できたことがすごく良い経験になりました。自分は小さいのでリバウンドのときは下を狙っていましたが、まだまだ甘い部分もありました。次へ向けてそこは改善していきたいです」と発見も多かったようです。

先発を担うセンターの神原太陽選手(3年生)の190cmに次ぐ、188cmの原澤快吏選手も1年生ながら20cm近い身長差がある相手に対し、思い切りの良いプレーを見せます。「中学では自分が大きい方でしたが、高校では留学生や日本人でも190cmを超えるような選手が多く、大きな相手に対しても戦えるようにフィジカルとシュート力を高めて今後もプレーしていきたいです」という課題が見つかりました。

反省点ばかりではなく、「リングにアタックした時にレイアップしてブロックされることがこれまで多かったですが、今日の試合で練習してきたフローターを決められたのは、ひとつ成長したかなと思います」という菊谷選手。原澤選手も「留学生を相手にポンプフェイクしてから、ターンをしてバックシュートを決められるように練習してきたことができました」とそれぞれが全国トップレベル相手に通用するプレーもあり、成功体験を自信に変えています。

次戦、9月17日・18日の会場は前橋育英であり、ホームに全国のトップチームを迎えます。茨城県のアダストリアみとアリーナで行われた開幕戦も、控えメンバーなど多くのサポートがありましたが、「さらに保護者の方が多く応援に来てもらえると思いますので、しっかりその声援に応える戦いをお見せできるようにしたいです」と加賀谷コーチも気を引き締めます。

各校で開催されるブロックリーグとは異なり、トップリーグの中で唯一ホームゲームができる喜びとともに、「もし将来Bリーグへ行きたいと思っている選手がいるならば、アウェーの経験も大事です」という加賀谷コーチは、シーホース三河の前身チームで活躍し、トップリーグでの経験を伝えています。「試合前のウォーミングアップや、時間の使い方などいろんな準備が大切です。環境が違う中で戦う経験ができる場としてもこのリーグ戦を活用しています」と話すとおり、選手の将来を見据えていました。

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