REPORT 現地レポート

バスケに関わる人を増やすため、応援してくれる方々のためにーー中部大学第一

2022年9月15日

「U18日清食品トップリーグ2022」に出場するチームのユニフォームを見ると、企業ロゴが入っているチームがあります。男子開幕戦では正智深谷と東海大学付属諏訪、中部大学第一がスポンサーに支援していただいていました。

中部大学第一の常田健コーチは学校関係者とともに、自ら地元企業を回って営業したそうです。前面番号の下にプリントされたリンタツは、企業チームとしても全国区の強豪です。「そのチームのヘッドコーチがOBです」という経緯を含め、「企業の皆さんは社会貢献としてサポートしていただいています」と常田コーチは説明します。

金銭的支援ではありますが、常田コーチは「お金ではなく、バスケに関わる人を増やしたい」という思いで、スポンサー解禁にいち早く動きました。「今回支援していただいた企業の皆さんがこの大会を知り、今もバスケットLIVEを通じて応援してくれています」と、すでに成果を挙げています。

選手たちの意識にも変化が見られています。キャプテンの小澤飛悠選手は、「スポンサーをユニフォームにつけることは、それだけの責任があります。今までは、チームのためだけに戦えば良いと思っていました。でも、自分たちのチームのためにお金を出してスポンサーロゴがユニフォームに入ったことで、応援してくれる方々のために戦う意識を持つようになりました」という効果もあります。

今年8月、小澤選手は男子U18日本代表として、日の丸を背負って戦った経験も活かされています。66-68で遅くも敗れた予選ラウンドでのイラン戦を振り返り、「最後にコーナーからの3ポイントシュートを外したときに、背負っているものの重さを感じました」と言います。練習中も自分のためだけだった意識が、「日本を背負って戦う重さを知り、日本に帰ってきてから1本1本のシュートも違う気持ちで打つようになりました」と話すとともに、今大会もスポンサーの期待を背負って力を発揮しています。

地元企業に支えられて出場しているからこそ、「愛知県内で開催して欲しかったです。皆さんにも実際に見ていただきたかったです」と常田コーチは残念がっていました。正智深谷と東海大学付属諏訪も同じく地元開催がなく、制限のない有観客で行われるであろう来年へ向けた改善点です。

今大会は多くのメディアにも注目されており、小澤選手も連日テレビカメラの前で取材を受けていました。「試合中、自分がシュートを打っているときにカメラが向けられているのは、率直にうれしいです」と感想を述べます。2年生だった昨年は、ほとんど出番がなかった小澤選手。しかし、キャプテンを任された今年は状況が一変し、「取材されることも増えてきてうれしいです」と臆することなくチームやバスケの魅力を伝えてくれています。彼らの言動もまた、バスケを関わる人を増やすきっかけになり、応援してくれる方のために戦うモチベーションにつながっています。将来、Bリーグでプレーすることを目標にする選手たちにとっては、スポンサーやメディアを意識することもひとつのトレーニングです。

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