ゼロからのチャレンジ――鳥取城北#6 亀田ゆな
2022年9月20日
9月10日、11日に行われた女子の「U18日清食品 中国ブロックリーグ2022」において、参加した4チーム中、唯一2連勝を飾ったのは鳥取城北(鳥取)でした。倉敷翠松(岡山)との初戦を92-56で快勝すると、翌日の徳山商工(山口)戦では3ポイントシュートが冴えわたり、こちらも84-56と大差をつけて勝利を収めました。
現在の鳥取城北は、コート上の5人がアウトサイドに広がって攻める『ファイブアウト』というオフェンスを軸にしています。石谷洋祐コーチは「サイズがない分、どの選手も3ポイントシュートを打てるように普段から意識して練習をしています」と口にします。
“どの選手も”ということは、当然、これまでゴール下でのプレーが中心だったセンターポジションの選手も3ポイントの習得に励んでいます。現在2年生で、171cmの亀田ゆな選手もその一人です。
「1年生の時はインサイドプレーをしっかりできるようにプレーさせていましたが、2年生になってからはアウトサイドにチャレンジさせています」。そう石谷コーチが話すように、彼女は今、プレーエリアを広げ、選手としての幅も大きく広げようとしている1年を送っているのです。
「1年生の時は(3ポイントを)まったく打っていなかったです」と、亀田選手も当時の自分を振り返ります。しかし現在は、誰よりも練習を重ね、確かな自信をつけているようです。
「朝練からみんなよりも30分早めに体育館に行って、試合を意識してシューティングをしています。今は自分がチームで一番3ポイントを練習しているって自信を持って言えるくらいです」
徳山商工との試合でも、3ポイントラインの外からシュートを決める亀田選手の姿がありました。「最初の方は相手にマークを離されて、打たされてしまいました」と、この日の立ち上がりはなかなか得点に結びつかなかったですが、「先生に『いつものシューティングだと思って打ちなさい』と言われてから自分のリズムで打つことができて、入るようになりました」と次第に調子を取り戻した亀田選手。試合後は笑顔も見られ、「次からは試合中でも自分でシュートタッチを修正できるようになりたいです」と意欲を示しました。
彼女の役割はそれだけではありません。本来のインサイドプレーヤーとして、リバウンドや味方へのスクリーン、ルーズボールにも飛び込んでチームのために体を張り続けます。
「自分はリバウンドでも流れを持ってこれる選手だと思っているので、自信を持ってプレーして、常にチームの雰囲気を良くできる選手になりたいです。ディフェンスではインサイドを守ることが多いので、コート全体を見ることができますし、後ろから積極的にチームメイトに声をかけることも心がけています」
3ポイントという新たな武器を手に入れ、亀田選手はインサイドとアウトサイド、さらには攻撃と守備の両面で不可欠な存在になろうとしています。誰もが認める『エース』や『大黒柱』と呼ばれる日は、そう遠くないでしょう。