REPORT 現地レポート

難しさをチームのプラスに変えて「判断力をトップリーグで身に着けたい」ーー中部大学第一

2022年11月1日

中部大学第一は9月10日の「U18日清食品トップリーグ2022」初戦で福岡第一に敗れましたが、翌日の前橋育英との試合、そして9月18日の正智深谷との試合に勝ち、通算成績を2勝1敗としています。

常田健ヘッドコーチは、日本代表のアンダーカテゴリーのアシスタントコーチを務めており、準決勝で開志国際に敗れたインターハイが終わると、世界大会への遠征で長く中部大学第一を留守にしました。

これまでであれば夏休みが終わり、腰を据えてウインターカップに向けた練習に取り組むのが今の時期ですが、このリーグ戦が始まったことでチーム作りのやり方を大きく変える必要があります。どのチームもまだ正解にたどり着いていない状況で、常田コーチは「私が長くチームを離れていたのと、アンダーに行っていた選手のコンディションも良くはないので、正直キツいです」と難しさを語ります。

「裏を返せば強豪校と緊張感のある中で対戦して経験が積めます。ウチはこの時期、インターハイでもスタメンの5人を休ませるのに選手層の薄いところがあったので、1人でも2人でも選手層を厚くしたい。でも福岡第一との試合でチャレンジしたら、そこでやられてしまったので、怖い部分もあります」

難しさがある中で、この変化をチームのプラスに変えられるかどうか。ここが常田コーチのチャレンジとなります。「移動が多くて大変だし、チームの練習があまりできないマイナスはありますが、この時期に強豪校と対戦できて刺激をもらえることで、練習の質は良くなっています。下級生も経験が積めて前向きになれています」

18日の正智深谷戦では、ポイントガードの下山瑛司選手がリズムを作り出し、小澤飛悠選手が16得点10リバウンド、坂本康成選手が21得点5リバウンドと、スタメンを張る主力選手が個々の強みを存分に見せ付けました。トップリーグで3試合を戦い、小澤選手は「会場の雰囲気が思っていたより数倍すごくて、いつも楽しみにしています」と、坂本選手は「いままで1週間に1回遠征するような機械があまりなく、プロみたいな施設とか移動距離なので、プロを目指す上でこういう経験はありがたいです」と、大いに刺激を受けています。

最終的な目標は、3年生の彼らにとって高校バスケ最後の大会となるウインターカップでの全国制覇ですが、それに向けたステップとして、このリーグ戦を最大限に活用しようとしており、坂本選手は「日々の練習で前の週に何が足りなかったのかを確認して、自分の中で練習から意識して、次の試合でそれを出すことを考えています」と語ります。

常田コーチの語っていた選手層の強化も、2人の意識するところ。小澤選手は「今回メンバーも大きく入れ替わって、そういう面ではコートに入るところで経験がない選手は不安だと思うので自分が声を掛けるようにしています」とキャプテンとして声掛けを大事にしており、坂本選手も「練習で声を出して、一緒に高めていきたい」とサポートしています。

小澤選手も坂本選手も「目標はウインターカップ」と口を揃え、小澤キャプテンは「このトップリーグで課題を明確にして成長できるように」と気合いが入っています。2人とも個人の課題は「ディフェンスを見て良い状況判断ができるようになること」と共通しています。「その判断力をトップリーグで身に着けて、ウインターカップで出したいです」

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