REPORT 現地レポート

苦労の末に味わうことができた勝つ喜びーー安城学園

2022年10月29日

「今日こそは絶対に勝とうと気持ちを切り替えて臨み、ようやく勝てて本当に良かったです」

「U18日清食品トップリーグ2022(女子)」の4戦目で初勝利を挙げた安城学園の永野紗弥香選手は、満面の笑顔で喜びを爆発させます。昭和学院に92-72で勝利し、永野選手は25点の活躍。高木すず選手が22点で続き、美浪ひかる選手は17点・20リバウンドのWダブルだけではなく、バランスの良い全員バスケで初勝利を飾りました。

アシスタントコーチから昇格し、今年からチームを指揮する堀智美コーチは「私の経験不足でインターハイ予選で負けてしまい、このトップリーグでも負け続けていたので、どうしても子どもたちには勝つ喜びを味わってもらいたかったです。率直にメチャメチャうれしいです」と選手とともに喜びを分かち合いました。

リーグ戦開幕週に行われた2戦は、いずれもインターハイ・ファイナリストと対戦。大阪薫英女学院に66-77で敗れ、続く京都精華学園には68-109の大敗を喫しました。3戦目の岐阜女子戦は前半をリードして折り返します。しかし、「相手は強豪であり、アジャストされたときに自分たちのやるべきことがブレてしまい、相手の波にのまれてしまいました」と堀コーチは反省点を挙げ、この試合も77-84で落としてしまいます。

負けてもやり直せるのが、リーグ戦の利点です。それまでの3連敗を良い教訓として迎えた昭和学院戦は、「とにかくやるべきことを徹底し続けよう」と挑み、40分間遂行できたことで勝利を引き寄せます。永野選手は「全員で得点を狙い、リバウンドとルーズボールを獲りきれなかったところもありましたが、これまでの3試合と比べれば徹底できるようになったと思います」と成長を実感するとともに、目指すべき姿を発揮しはじめました。

永野選手と高木選手は4試合とも2桁得点を挙げ、チームを引っ張ります。先週のインターハイ・ファイナリストを相手にも、新矢玲実選手は3ポイントシュートで活躍。2年生の西田美咲選手を含めた先発メンバーだけではなく、村田優希選手や青木らするな月(ウクウェージ)選手らベンチメンバーもチームを盛り立てます。「相手に合わせてシューターを出したり、ポストプレーができる選手を出したりするのが普通ですが、全員が全てのポジションをできるのがこのチームの特徴です」と堀コーチは自信を持って選手たちをコートへ送り出し、その期待に応える活躍が見られています。

チャレンジャー精神で臨んでいる永野選手は、「負けても試合が続くのがリーグ戦の良いところです。自分たちはこのような大きな舞台で試合する経験が他のチームよりも少なく、インターハイにも出られませんでした。このリーグ戦に参加できていることに感謝し、今後の自分たちの成長につなげていきたいです」という思いで、1戦1戦を向き合っています。勝つ喜びを味わったからこそ、残る3戦でさらなる勝利を目指すとともに、ウインターカップ予選にも照準を合わせながらチームを上向かせています。

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