REPORT 現地レポート

リーグ戦を通して切磋琢磨しながら探すポイントガードーー帝京長岡

2022年11月11日

8チームによる1回戦総当たりで行われている「U18日清食品トップリーグ2022(男子)」は、勝っても負けても7試合が用意されています。現在の高校生はコロナ禍によって部活動が制限された世代であり、「試合経験が足りていません。さらに昨年のチームからコネ(ボウゴウジィ ディット ハメード)以外がごそっと抜けてしまったので、このリーグ戦でいろんな経験を積みながらチーム力と個人の力をどれだけ出せるかを試しています」というのは、帝京長岡の柴田勲コーチです。

前節から先発メンバーを入れ替えて臨んだ10月8日の前橋育英戦は、109-70で快勝。チームの大黒柱であり、唯一経験豊富なコネ選手は47点、24リバウンドの活躍で勝利に貢献。同じく4試合とも先発で起用されたスモールフォワードの佐藤拓海選手も16点と続き、安定した力を発揮しています。

「ガードのところは模索しているのが現状です」と柴田コーチが言うように、これまでの3試合で先発だった2年生の児玉雅空選手に代え、この試合は3年生の小林莉央選手を起用。その理由について、柴田コーチは「もともと小さいチームですが、もう少し体が強い3年生にチャンスを与え、それをものにしてもらいたいですし、自らつかみに行ってもらいたいです」と期待を込めます。

柴田コーチが求めるチームの司令塔となるガード像は、「同級生と下級生ではまだまだガードとしてのコミュニケーションにおいて遠慮が入るのかなと思っているので、3年生にしたいとは思ってはいます。しかし、なかなか出てきてくれないのがジレンマです」とチャンスを与えながら戦力探しを行っています。

先発から外れた児玉選手は「パスやシュートの精度が足りず、小さくて体も細いのに細かいところでのミスがあってスタメンから外れてしまいました。ウエイトトレーニングとシューティングは毎日欠かさずに取り組んでいるので、またスタートに戻りたいです」とその理由も課題点も把握した上で復帰を目指していました。

前節ではインターハイチャンピオンの福岡第一と対戦し、児玉選手は5つのターンオーバーを記録したことも精度を欠いた原因です。男子U18日本代表の轟琉維選手とマッチアップし、「手も足も出なかったです」とその差を痛感させられました。試合は66-92で敗れ、同じく男子U16/U17日本代表でチームを引っ張ったガードの石口直選手に37点を許し、82-100で敗れた試合からも悔しさだけではなく、多くのことを学ぶ機会になっています。

「シュートの精度はもちろんですが、日本代表選手が持っている気持ちなどが違いました。試合をしながらどんどん見習っていきたいと思います」と前向きに捉える2年生。敗戦後、シュートの精度が悪い反省点を洗い出し、その後の練習ではチーム全員で100本を決める目標を掲げてシュート精度を上げる練習に取り組んでいます。ただ打つだけではなく、「コネ選手からスクリーンをかけてもらったときの3ポイントシュートなど、いろんなプレーを想定しながらシューティングしています」とゲームを意識しながら毎日100本以上決め続けています。

先発を外れた前橋育英戦での児玉選手は12分16秒のプレータイムを与えられ、5点、3アシストを記録。積極的にゴールへ向かってプレーし、チャンスを作る働きを見せました。

「今日はベンチスタートということもあって、ディフェンスから入ることを意識していました。帝京長岡はディフェンスからブレイクを出すチームですが、それが前半は全然出せなくて、チームにも良い影響を与えることもできなかったです。後半は、自分が出たときにはしっかり守って、得点につなげることを意識していました」

3年生ポイントガードの台頭を願う柴田コーチですが、児玉選手も先輩たちに臆することなくリーダーシップを執れる強いハートの持ち主。今年のインターハイには出られなかった帝京長岡。リーグ戦を通じて福岡第一と対戦することができ、日本一のチームを肌で感じたからこそ、「スタートで出ているのにチームにも良い影響を与えられずに、後悔が残った試合でした。次に対戦できるのはきっとウインターカップだと思うので、そのときには絶対に倒して優勝したいです」とリベンジに燃えています。

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