REPORT 現地レポート

得点でもディフェンスでもチームに流れを持ってくる――岐阜女子 #6 絈野夏海

2022年11月12日

岐阜女子は10月9日、「U18日清食品トップリーグ2022」で大阪薫英女学院と対戦しました。試合開始前から、どの選手の表情も気合い十分。それもそのはず、夏のインターハイで岐阜女子はベスト16で大阪薫英女学院と対戦し、61-91と大差で敗れていたからです。

「因縁の対決という意識はありますか?」という質問に安江満夫ヘッドコーチは「薫英さんのバスケの力は十分分かっていますので、我々はトライするだけです」と控え目に語りますが、絈野夏海選手は「あります」と言い切ります。

「やっぱりインターハイで薫英さんに30点差を付けられて負けてしまって、本当に自分たちは悔しかったです。その悔しさがあって、そこからしっかり練習を積んできたので、今回はインターハイのリベンジという気持ちで全員で戦いました」

結果は64-51で岐阜女子の勝利。絈野選手はチーム最多となる17本のフィールドゴールを放ち、3ポイントシュート3本を含む8本を決めて21得点を挙げ、リベンジマッチでエースの役割を果たしました。ですが、岐阜女子は伝統的にディフェンスのチーム。エースであっても「自分たちのチームカラーであるディフェンスから流れを作る点で、全員がディフェンスを徹底できたのが良かったと思います」と試合を振り返ります。

特に、インターハイでは31失点を喫した第2クォーターのディフェンスは見事でした。全員が激しく足を使うとともに良い距離感を保ち、素早いローテーションでイージーシュートのチャンスを与えず、相手のリズムを狂わせ、わずか6失点。このクォーターを18-6としてリードを奪い、後半もディフェンスに緩みを見せず、相手に付け入る隙を与えませんでした。

絈野選手が明かすポイントは、大阪薫英女学院の仲江穂果選手、島袋椛選手が周囲と連携するセンタープレー。岐阜女子のゴール下は190cmの留学生プレーヤー、ジュフ ハディジャトゥが守っていますが、インターハイではここを連携で切り崩されて大量失点を喫していました。「前回はハディジャトゥに頼りすぎてしまいました」という絈野選手は、自分のマークマンを時には離してでもインサイドのヘルプに寄り、相手のキーマンにシュートを打たせないディフェンスを徹底したそうです。それが上手く決まったことが、21得点を挙げたことよりも手応えになっていました。

チームディフェンスを機能させてロースコアの展開に持ち込むことが、岐阜女子らしいバスケをする第一の秘訣ですが、その中で点を取って違いを見せる必要もあります。絈野選手はその2つを両立させられる選手が、岐阜女子のエースだと考えています。

「このチームのエースというプライドが……」と言ったところで少々はにかみながら、絈野選手はこう続けます。「自分がエースだと言い切ることで気持ちのコンディションを上げています。点を取るのもそうですし、ディフェンスでもチームに流れを持ってくるプレーをしたいです」

このリーグ戦でインターハイのリベンジを果たした今、気持ちはウインターカップへと向きつつあります。「チームとしては日本一を絶対に取りたいです。そのためには、やっぱりディフェンスの徹底力だと思います」と、絈野選手は力強く抱負を語ってくれました。

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