REPORT 現地レポート

勝利につながるプレーを見せ、自信を取り戻したエースーー市立船橋(千葉県)

2022年10月11日

今夏のインターハイに出場し、3年ぶりに全国の舞台に返り咲いた市立船橋。結果は県立広島皆実に敗れ、2回戦敗退。選手たちにとっては日本一を争う舞台をはじめて経験し、さらに勝ち上がるための課題点も明確になりました。斉藤智海コーチは「小さいチームなので相手が嫌がるディフェンス」にフォーカスし、その成果を試す機会となった「U18日清食品 関東ブロックリーグ」。手応えを実感できる6勝1敗の好成績で、ひと足早く全日程を終えました。

最終戦のつくば秀英戦、強化してきたディフェンスで序盤から流れをつかみ、78-54の結果とともに納得の内容で勝利。「練習してきたことがこの試合で少し形となり、選手たち自身も間違っていなかったというきっかけをつかんでくれたら良いです」と斉藤コーチは評価します。

「一番最後の試合で練習してきたディフェンスをうまく出せたと思うので、結果としては良かったです」という佐々木慎太郎選手は、リーグ戦を通じて自信を得ることができました。インターハイで敗れた県立広島皆実戦では12点、10リバウンドを記録し、永島太一選手(14点、11リバウンド)とともにダブルダブルを達成。しかし、佐々木選手は「個人として良い結果を残せなかったのでとても悔しかったです」とインターハイを振り返り、エースとして勝利につなげられなかったことに責任を感じていました。

その悔しさを晴らすための課題に取り組み、その成果を試すことができた関東ブロックリーグではチームとしての成長も実感しています。「このリーグ戦ではチームを勝利につなげられるようなプレーを多くできるようになったと思います」とエースとしての役割を果たし、自信を取り戻す機会になりました。代々受け継がれる市立船橋の目標は「ウインターカップ最終日、最終戦のコートに立つこと」。今年のチームも変わらぬ目標へ向かい、その権利を得るためにもこれからクライマックスを迎える予選突破を目指します。千葉県予選決勝は11月19日(土)、この試合はバスケットLIVEでご覧いただけます。

関東ブロックリーグを通じて斉藤コーチが大切にしていたのは、「目の前の試合もそうですが、次の試合に向けた準備にこそ意識していました」と言い、相手への対応とともに前節で見えた課題に対する選手たちへのフィードバックです。試合中にもその光景は見られ、ハーフタイム中は佐々木選手と膝をつき合わせてアドバイスを送っていました。ディフェンスにフォーカスして取り組んできた市立船橋であり、勝っても負けても続くリーグ戦だからこそ丁寧に時間をかけて強化することができた点をメリットとして挙げています。

各学校が会場となる関東ブロックリーグですが、練習試合とは違った雰囲気を歓迎する斉藤コーチ。「大会バナーが掲げられ、少し煌びやかな雰囲気があることで、選手も我々のモチベーションも上がります。各県から派遣される審判の方々も責任を持って吹いてくださり、公式戦を味わえる素晴らしいリーグです」と感想を述べます。また、バスケットLIVEで見逃し配信されているトップリーグも刺激となっており、「トップの高校はどんな課題を持って取り組んでいるのかを見ることができ、そこで私自身の勉強にもなっています」という機会となり、日清食品リーグが高校バスケ全体の底上げを担っています。

勝ち点13の市立船橋は10月9日時点で暫定1位。同じく1敗で並ぶのは県立宇都宮工業(3勝1敗)と、唯一黒星を喫した八王子学園八王子(2勝1敗)。残り試合が多いライバルたちの結果次第であり、他力本願ではありますが、市立船橋にもまだまだ関東ブロックリーグ制覇の望みが残っています。

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