REPORT 現地レポート

高校に進学し、積極的に3ポイントを狙うインサイドプレーヤー 昭和学院 #11 山下笑伶奈

2022年9月4日

 「U18日清食品トップリーグ2022」への選出要件は昨年度のインターハイやウインターカップの成績をポイント化し、トップ8が参加。残念ながら今夏のインターハイに出場できなかったチームも、このリーグ戦を通じて全国レベルと対戦できるチャンスを迎えます。

 昭和学院もインターハイ予選で敗れ、悔しい思いをしたチームのひとつです。先週の明星学園戦が延期となったため、リーグ戦の初戦は、いきなりインターハイチャンピオンの京都精華学園と対戦。開始5分、6-16と10点差をつけられた昭和学院はタイムアウトを取りました。

 初戦であり、チャンピオンを相手に「選手たちが浮き足立ってゲームに入ってしまいました」という鈴木親光コーチ。2本続いたターンオーバーに対し、「何がしたいのかが分かりませんでした」という鈴木コーチは、やってはいけないミスだったことを指摘します。その言葉に選手たちも落ち着きを取り戻し、第1クォーターは24-26と2点差まで追い上げました。

 第2クォーターには1年生の山下笑伶奈選手が3ポイントシュートを決め、32-32の同点に追いつきます。さらにディフェンスを成功させ、米須莉那選手が速攻を決めて逆転に成功。しかし、第2クォーター終盤に連続失点を許し、後半も京都精華学園の勢いを止められず、69-102で昭和学院は黒星スタートとなりました。

「前半は思うようにできていました。しかし、後半はゴール下のイゾジェ(ウチェ)選手と柴田(柑菜)選手、前半からつながれていた八木(悠香)選手にやられてしまったことがハッキリと分かった試合でした」

 こう鈴木コーチが振り返るとおり、イゾジェ選手は38点、八木選手も21点を挙げ、柴田選手も京都精華学園の起点となる活躍を見せます。今年の昭和学院は1〜2年生が主力となり、スタメンの3年生は米須選手のみ。「リーグ戦を通していろんなチームと対戦しながら、若い選手が躍動して一歩でも二歩でもステップアップしてくれることに期待しています」と鈴木コーチは成長を促します。

 1年生の山下選手はインサイドを任され、京都精華学園の190cm近い2人の留学生たちとのマッチアップが続きました。山下選手にとってはこれが初の全国大会。チャンピオンと対峙し、「やっぱり体の強さが違いました。もっとコンタクトや走り負けしない体を作らなければいけないと思いました」と実際に対戦したからこそ分かることも多かったようです。

「日本人選手とマッチアップしたときはパスカットやブロックショットができることもあります。しかし、留学生は体の強さや身長も違いますし、手の長さもあるので届かない部分がありました。最初から押し負けるのではなく、最後まで粘り強く戦うことが必要だと思いました」

 先に挙げたとおり、同点に追いつく3ポイントシュートを決めた山下選手。「もともと中学生のときは4番(パワーフォワード)とともに、3番(スモールフォワード)でもプレーしていました。ドライブは得意です」と言います。昭和学院に進学した今は、積極的に3ポイントシュートを打つようにプレーの幅を広げています。試合が続くリーグ戦だからこそ、実戦を通して新たな技術を習得する場としても活用できるのが利点です。

 昭和学院は昨年プレ開催された関東ブロックリーグに出場し、チャンピオンになりました。その経験を踏まえ、鈴木コーチはリーグ戦を成長の場として捉えています。

「自分たちがやりたいこともそうですが、相手チームがどういうことをしているかがトーナメントよりもリーグ戦の方が、熟成されているプレーはこういうものがあるんだな、ということをあらためて感じ取ることができます。相手のプレーに対してどうアジャストするか、逆にアジャストされている中でどうプレーを組み立てていくかということが、今の若いチームにとっては良い試練であり、教訓になっています」

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