REPORT 現地レポート

自信をつけ、次につなげるための成功体験ーー正智深谷

2022年9月10日

 「U18日清食品トップリーグ2022」は女子に続き、9月10日より男子も開幕しました。最初の試合に登場したのは、昨年のウインターカップ準優勝校の帝京長岡と、同ベスト8の正智深谷が対戦。205cmのコネ ボウゴウジィ ディット ハメード選手が34点を挙げ、高さで上回る帝京長岡が、103-73で初戦を制しました。

 敗れた正智深谷は、今年のインターハイで埼玉県代表として出場権を得たものの、新型コロナウイルス感染により棄権となりました。その後も感染者が増え、「12日間も活動が停止になり、気持ちの面でも落ち込みました」と成田靖ヘッドコーチは明かします。しかし、このリーグ戦で全国の強豪と戦う機会をふたたび得たことで、「必ず次につながります」と続け、復活へ向けて士気を高めています。

 帝京長岡が次々と得点を重ねてはじまったこの試合、正智深谷の最初のゴールを決めたのは2年生の三村蓮選手でした。「ブロックされても良いからゴールに向かって行こうと思い、あのような結果になって自分でも良かったと思います」というバスケットカウントを決めます。試合中、ベンチから常に聞こえてきたのは「運動量」というキーワード。「インターハイに出られなかった悔しい思いをバネに運動量を上げて、少しでも相手に食らいついていき、勝利につなげたいです」と三村選手は言い、高さに対抗していました。

 7試合続くリーグ戦を通じて、三村選手は「いろんな面でチャレンジし、ミスしても前を向いて戦っていきたいです」というテーマを持って臨んでいます。ディフェンスでは相手のビッグマンとマッチアップし、オフェンスではボールを運んだり、3ポイントシュートを決めたり、オールラウンドに活躍。現在のフォワードから、ガードへポジションアップするチャレンジも見据えています。

 昨年は関東ブロックリーグに出場し、1年生だった三村選手は「少ししか出られず、そのときも悔しい思いをしました」と振り返ります。今年こそしっかりプレータイムをもらえるように、「オフェンスでもディフェンスでも積極的にプレーをして、チームを引っ張っていきたいです」と抱負を語ってくれました。

 「昨年のリーグ戦はほぼ負けてはしまいましたが、その経験があったからこそ、その後のウインターカップで表彰台の手前まで行くことができました」と成田ヘッドコーチは話し、昨年はベスト8の成績を残したことに手応えを感じています。現在、ルーニー慧選手がケガにより、少し遅れての参加になりますが、「(ウインターカップ決勝が行われる)12月29日までにいかにして残っていけるかを見据えながら、このリーグ戦は戦っていきたいです」と成長の場として捉えています。

 「子どもたちは成功体験によって急にうまくなるものです。いくら練習で良くても、ゲームで失敗してしまえば上達しません。少しでも自信をつけて、次につなげていけば良いと思っており、すごく貴重な大会です」と歓迎し、勝敗だけではない部分にフォーカスしながら底上げを目指しています。

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